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【伊東温泉】開放的な海沿いから高原リゾートまで、湯量豊富な温泉天国

2022/02/01
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Ryoko Kawada伊東市東伊豆
【伊東温泉】開放的な海沿いから高原リゾートまで、湯量豊富な温泉天国

伊豆半島の東京方面の玄関口に位置する伊東市。天城山系、相模湾、高原に囲まれ、風光明媚な“国際観光温泉文化都市”を掲げている。源泉数700本、毎分約3万リットルの湧出湯量は国内有数の規模を誇り、江戸時代には徳川家への献上湯でもあった名湯が沸く。いわゆる「伊東温泉」は、伊東駅周辺から海沿いへと広がる伊東温泉、伊東温泉街の北側にある奥座敷的な存在の宇佐美温泉、別荘地として知られる伊豆高原にある小室温泉・対島温泉からなる。

ファミリーで楽しめるテーマパークや美術館、海水浴場、歴史ある建物、花の名所など、世代を問わずにさまざまな遊び方ができる人気観光地。気軽に温泉で手を温められる「手湯」があちらこちらにあるのも嬉しい。地元の漁港に水揚げされた鮮度抜群の海鮮グルメはもちろん、みかんの産地としても有名だ。

昔懐かしい風情が魅力の伊東温泉

伊東七福神の湯①

伊東七福神の湯②

伊東七福神の湯③

松川沿いの遊歩道(夜の竹あかり)

海沿いを中心に温泉街が広がり、古き良き日本の風情に触れることができる。夕暮れになると各家々からタオルと桶を持った地元民を目にし、観光客以外にも地元住民も日常から利用していることがよくわかる。

10軒ほどの源泉掛け流し共同浴場があるが、そのうち8軒には「伊東七福神の湯」と呼ばれ、入口に七福神の石像が一体ずつ祀られている(七福神は7体の神様だが、布袋尊を祀る温泉が2軒あるため8軒)。まんなかにぽつんと浴槽がある素朴な浴場はとても新鮮で、ケロリンの桶も懐かしい。銭湯に親しみがない若い人などにとっては少し勇気がいるかもしれないが、伊東に来たらぜひ、七福神の湯めぐりを体験してほしい。

また、松川沿いの遊歩道は、石畳に揺れる柳並木が美しく、桜の名所としても有名。夜の竹あかりも毎日開催され、昼間とはまた違った優美で幻想的な雰囲気に包まれる。昭和初期の貴重な木造建築や伊東の文化を伝える「東海館」があり、松川の対岸から眺める景色は風情たっぷり。

「お湯かけ七福神」のスタンプラリー

「お湯かけ七福神」のスタンプラリー

伊東駅前にある湯の花通り商店街にはのどかな昭和の面影が残る。温泉まんじゅうや干物などのお土産選びのほか、最近新しくなったばかりの「お湯かけ七福神」をめぐるスタンプラリーも楽しい。

ちなみに、七福神は商売繁盛と漁業の神様である「恵比寿」、五穀豊穣と台所の神様である「弁財天」、厄除けと戦いの神様「毘沙門天」、平和と家運の神様「布袋尊」、幸福と長寿の神様「福禄寿」、長寿と家庭円満の神様「寿老人」の七神のこと。

「お湯かけ七福神」のスタンプラリーでは、唯一の女神であり、財産と才能をも兼ね備えた「弁財天」が特に人気があるという。もともと恋愛のパワースポットになっていたが、最近、訪れる観光客はお金をお湯で洗い、金運UPを願うのだとか。確かに七福神の中でも、弁財天は比較的万能な神様の印象がある。弁財天に人気が集中するのもうなづける。

風光明媚な伊東の奥座敷・宇佐美温泉

風光明媚な伊東の奥座敷・宇佐美温泉

宇佐美温泉は、網代と伊東温泉街の間にあるのどかなエリア。こぢんまりとした民宿が多く、アットホームなあたたかいおもてなしを受けることができる。おいしい料理を味わい、温泉にゆっくりとつかり、静かにのんびり過ごしたい人におすすめだ。温泉が流れる手洗い場のような場所もある。

漁港が近いので新鮮な魚介が味わえ、温泉は漁師の方にも親しまれてきた無色透明の湯。この辺りには温泉を自宅に引いている家も多く、人々の暮らしに温泉がとても身近にある。豊富な湯量を誇る伊東市ならではの暮らしの贅沢さ。実にうらやましい。

冷えた体をすぐにあたためることができるので、釣りや夏場の海水浴の宿泊地としても人気が高い。また、クラフトビール工場併設のバーベキュー施設あり、できたてのビールを味わいながら、お肉や魚介の本格バーベキューが楽しめる。

別荘地として名高い小室温泉・対島温泉

別荘地として名高い小室温泉・対島温泉

小室温泉・対島温泉は、伊豆高原を中心とした自然美豊かなリゾートエリアで、温泉付きの別荘も多い。別荘地の温泉ということで、敷居が高いと思われそうだが、実は気軽に宿泊しやすい。

大室山や城ヶ崎海岸といった景勝地、テーマパーク、個性派ミュージアム、手作り体験施設などが充実。気軽な日帰り旅行から、ちょっと豪華な記念日旅行まで、ファミリー、年配夫婦、カップル、一人旅、グループ旅行など、老若男女どんな世代でも楽しめる。

また、伊豆高原駅の近くにある「立ち寄り温泉 伊豆高原の湯」は泥パックが人気。顔に泥パックをしたまま浴槽につかることができ、「泥顔カメラ」で記念撮影も人気がある。なかなかのインパクトがある写真が撮れる。そのほか、森に囲まれた露天風呂や打たせ湯など、お風呂の種類も豊富。広々とした休憩所があり、マンガ本も読み放題、卓球台やハンモックなどもあり、一日ゆっくり過ごすことができる。

他、伊豆高原の南にある「赤沢温泉郷」は、宿泊も日帰りも楽しめるスパリゾート。海と一体化したような気分になれる絶景露天風呂をはじめ、ボウリング場やテニスコート、高級志向の迎賓館などがあり、喧噪を離れて至福の時を過ごせる。

伊東温泉の基本情報

伊東温泉(いとうおんせん)

住所:静岡県伊東市

TEL:0557-37-6105(伊東観光協会)

URL:https://itospa.com/

 

この記事を書いた人

Ryoko Kawada

福岡県出身、名古屋の編集プロダクションでデザイン・執筆の仕事をしたあと、2004年に静岡市へ移住。出版社でwebディレクターとして勤務後、2007年に取材・執筆・撮影・編集・デザインを生業とするフリーランスとして活動開始。静岡県内各地を飛び回りながら、静岡の魅力を発掘中。

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