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【土肥桜】地元カメラマンが選んだベストスポット3選

2023/01/10
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Akihiro Enoki伊豆市西伊豆
【土肥桜】地元カメラマンが選んだベストスポット3選

伊豆には、早咲きの河津桜よりも更に早く咲く桜がある。

伊豆の西海岸「土肥(とい)」エリアに咲く土肥桜は、河津桜より1 週間ほど早く開花する。

12月下旬から蕾が膨らみ、1月上旬から土肥温泉の周辺で咲き始める。

一つの枝に6、7個の花をつける華やかさが魅力だ。

 

土肥桜のルーツは、昭和33年頃、当時北海道大学名誉教授だった故小川義雄さんが、土肥・小下田(こしもだ)で佐藤萬夫(かずお)さんが営む佐藤医院を訪れたことから始まった。診療室の花瓶には、佐藤さんが土肥・八木沢小池エリアに咲いていた桜の枝を飾っていた。それを見た小川さんはその早咲きの桜に惚れ込み、接木で増やし始めたのがきっかけといわれている。

 

濃いピンク色の紅種と白種の2種類があり、紅種は平成19(2007)年3月に「伊豆土肥桜」として品種登録された。門外不出のこの土肥桜は現在、土肥温泉周辺に約400本植えられている。

 

この土肥桜のベストスポット3選を

土肥在住のカメラマンで伊豆写伝・TOizu BOX(トイズボックス)のリーダー、勝呂拓也さんに伺った。

 

 

土肥桜

万福寺(まんぷくじ)

万福寺(まんぷくじ)

撮影=勝呂拓也さん

 

樹齢約50年の土肥桜。濃いピンク色の桜が境内でより鮮やかに咲き誇る。

 

 

土肥桜

撮影=勝呂拓也さん

 

勝呂さんは「枝の曲線が美しい。一回左に登った枝が右に曲がり、ちょうど寺の正面に枝が差しかかっている。寺に自分達を迎え入れてくれているようにも感じ、桜はスマホでも奇麗に撮ることができる。一眼レフなら広角で。しゃがんで下から煽るように、空を入れて濃いピンクと青空を撮影してほしい」と話す。

 

万福寺(まんぷくじ)基本情報

住所:静岡県伊豆市土肥135

電話: 0558-98-0533

アクセス:伊豆箱根鉄道 修善寺駅から東海バス「松崎」行に乗車。「大薮」バス停下車すぐ。

丸山スポーツ公園

丸山スポーツ公園

撮影=勝呂拓也さん

 

ナイターもできる野球場やテニスコート、グラウンドゴルフ、ゲートボール場などがある公園。

 

もともと佐藤医院にあった土肥桜の原木は、道路整備の際にこの丸山スポーツ公園に移植された。

野球場の外野にある古木はひときわ存在感を放っている。

 

勝呂さんは「佐藤医院のおじいさんが原木となる木を持ってきたのが土肥桜の始まり。歴史ある桜だから、その重ねた歴史やストーリーも含めてかっこいい」と話す。

 

丸山スポーツ公園基本情報

住所:静岡県伊豆市八木沢1361-1

電話: 0558-99-0798

アクセス:伊豆箱根鉄道 修善寺駅から東海バス「松崎」行に乗車。「土肥丸山公園」バス停下車すぐ。

土肥金山

土肥金山

撮影=勝呂拓也さん

 

室町時代から金の採掘を始めたという土肥金山は、江戸時代から昭和にかけて黄金時代を迎えた。

推定総採掘量は、金40トン、銀400トンといわれ、昭和期までの採掘量は新潟県の佐渡金山に次ぐ2位を記録している。

 

昭和40年に閉山してからは、土肥のパワースポットとして観光坑道や砂金採り体験を楽しめる人気の観光施設になり、黄金館に展示している250kgの巨大金塊は、世界最大の金塊としてギネス世界記録にも認定されている。

 

施設内には80本を超える土肥桜があり、土肥桜まつり期間中の週末には、夜桜ライトアップも行われる。

 

 

土肥桜_土肥金山

撮影=勝呂拓也さん

 

土肥桜_土肥金山

撮影=勝呂拓也さん

 

勝呂さんは「土肥金山にある2本の桜が並ぶ、『2本桜』の撮影がおすすめ。土肥エリアで土肥金山の桜が一番早く咲くのではないか」と話す。

 

土肥金山の基本情報

住所:静岡県伊豆市土肥2726

電話: 0558-98-0800

営業時間: 9:00~17:00

アクセス:伊豆箱根鉄道 修善寺駅から東海バス「松崎」行に乗車。「土肥丸山公園」バス停下車徒歩4分。

 

 

土肥桜

 

「土肥桜の魅力は花自体のつぶの大きさ、そしてピンクの濃さ。土肥桜はソメイヨシノと違って花が下を向いているので、上を見上げると、桜の花と目が合う。花が顔をこちらに向けてくれているので、撮りやすいんです。」と話す勝呂さん。

 

伊豆・土肥にだけ咲く日本一早咲きの桜・土肥桜を撮りに、カメラを持って出かけてみるのはいかがだろうか。

 

 

土肥桜

撮影=勝呂拓也さん

 

 

この記事を書いた人

Akihiro Enoki

東京都出身、沼津在住。地域特化型ニュースメディア「沼津経済新聞」編集長。現在まで伊豆半島をメインに2,000本ほどのニュース記事の執筆・取材を行っている。移住9年目。

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