<東海バスフリーきっぷでバス旅へ>フォトグラファーが娘と行く、西伊豆途中下車の旅①
2026/07/27
GENIC編集部フォトグラファーモデルコース西伊豆
『東海バスフリーきっぷ』を使って静岡県の西伊豆(土肥・堂ヶ島)エリアをバスで巡る、親子ふたり旅。GENICプロデュースで、フォトグラファーのENA.さんが娘さんと出かけた1泊2日のぶらりバス旅を紹介。
かつてのバスの待合室を活用した宿「ばすてい」での特別な宿泊体験や、初めて目にする荒波に削られた岸壁など、非日常を感じながらも、静かでのんびりとした時間も流れる2日間。親子で「たのしいね」「きれいだね」と何度も言葉を交わしながら、西伊豆をたっぷりと堪能した。母娘バス旅の様子を、フォトグラファー目線と母目線で切り取った写真とともに届ける。
東海バスで行く親子ふたり旅。1泊2日で西伊豆を巡る
伊豆半島の西側に位置する西伊豆は、どこまでも続く海沿いの景色と、温泉地が点在する自然豊かなエリア。そんな西伊豆をバスに揺られながら、親子ふたりで巡っていく。
バス旅の醍醐味は、車窓から移り変わる景色を眺めたり、気になった場所でふと降りてみたりできること。その場の空気に身をゆだねながら過ごす時間は、特別だけれど、どこか日常とも重なり、心地よさを感じる。
親子ふたり旅で出会った、西伊豆の魅力をお届け。
バス旅の始まりは三島駅から



朝の三島駅は、観光客の姿も多く、行き交うバスや人で活気を感じる。これから始まる旅の気配を感じ、自然と笑顔がこぼれる。
伊豆のバス旅で役に立つのが、東海バスのフリーきっぷ。東海バス三島駅前案内所や三島観光案内所で購入できる。今回利用した、東海バスフリーきっぷ「全線2日券」は、こども料金をEmotオンラインチケットで購入すると、通常2,450円のところ500円になる(※)。こども料金がお得になるのは、親子旅には嬉しいポイント。フリーきっぷを入手し、いざバスへ乗り込む。
※2026年6月時点。最新情報は東海バス公式サイトでご確認を。
品川駅 8:34発
JR東海道新幹線 こだま809号
↓
三島駅 9:20着/10:15発
東海バス
↓
土肥温泉 11:33着
すぐ
↓
三島駅から東海バスで「みなとオアシス土肥」へ
三島駅南口の4番乗り場から、東海バス・西伊豆特急バスに乗って最初の目的地へ。このバスは、三島駅から西伊豆方面を結ぶ直通路線で、西伊豆の海沿いのエリアまで乗り換えなしでアクセスできるのが魅力。1日の運行数が少ないため、事前に時刻表の確認を。少し特別な気分になれる特急バスは、旅の始まりにぴったり。
1時間20分ほどバスに揺られて、「土肥温泉」バス停で降車する。車窓を眺めていると、街並みから少しずつ自然の景色へと変化する様子が楽しめる。


窓の外に広がる景色を、最初は嬉しそうにカメラで収めていたが、だんだんと心地よいバスの揺れに身をゆだねて、いつの間にか夢の世界へ。安心しきったその表情を見ていると、慌ただしい日常とはまるで違う、穏やかな時間に心がほどけていく。
目的地へ向かうただの移動時間さえも、親子で過ごすかけがえのないひととき。そんな時間が、静かに心に刻まれる。

土肥温泉バス停で降り、海の方へ少し歩いて「みなとオアシス土肥」へ。みなとオアシス土肥は、観光と防災機能を兼ね備えた「テラッセ オレンジ トイ」や「屋形海岸」、「松原公園」などの5施設から構成されている。季節ごとのイベントが開催されるほか、観光施設やお土産ショップもあり、土肥温泉エリアの観光拠点として親しまれている。
ふたつの顔を持つ「テラッセ オレンジ トイ」へ

テラッセ オレンジ トイは、観光と防災の機能をあわせ持ち、平常時はお買い物や食事を楽しみながら、ゆったりと過ごせる観光施設であり、災害時には津波避難施設としての役割も担っている。
目の前に広がる穏やかな海と建物を眺めていると、ふと「12m」という表示に目が留まる。この場所が海とともにありながら、人々の命を守る役割も担っていることを実感。観光と防災というふたつの役割を知ることで、この場所への見方も少し変わる。


中へ入ってみると、1階には地元の特産品が並ぶショップやカフェ、足湯などがある。旅の途中にふらりと立ち寄りたくなるような、開放的な雰囲気。地元の人がゆっくりと足湯に浸かる姿も見られ、日常の延長のような時間も流れている。3階にあるレストラン「ありがとう」では、海を眺めながら食事ができ、最上階の4階は、海と街を一望できる展望デッキ。2階にはテラスや通路が整備されていて、海風を感じながら静かに過ごせる休憩スペースになっている。


1階の売店に立ち寄る。お土産や地元の特産品がたくさん並び、見ているだけでも楽しい。農家から届いたばかりのみかんや、地元のクラフトビールなど、この土地ならではのラインナップに思わず足を止める。
館内を楽しんだあとは、目の前に広がる海へ。
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テラッセ オレンジ トイ
基本データ
<住所>静岡県伊豆市土肥2657-6
<TEL>0558-98-0523
<定休日>なし ※店舗により異なる場合あり
<駐車場>あり(有料)/154台、2時間まで無料、当日1日最大1,200円(7月1日~8月31日は、当日1回1,200円)
行き方・アクセス
<電車>JR三島駅南口から東海バス「松崎」行(特急)で約1時間15分、「土肥温泉」バス停下車すぐ
<車>東名高速「沼津IC」約1時間30分/新東名「長泉沼津IC」約1時間10分
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「屋形海岸」でゆったりと心を満たす

テラッセ オレンジ トイの目の前に広がる「屋形海岸」へ。海が見えた瞬間、「海だー!」と声を上げ、そのまま砂浜へ駆け出していく。嬉しそうな様子に、頬がゆるむ。


砂浜でありながら、港のような雰囲気も漂う屋形海岸。船や防波堤の景色に加えて、砂浜にはカラフルなボートが並んでいる。色とりどりのボートの上を歩きながら、海辺の景色を全身で楽しんでいる姿に、思わずシャッターを切る。
海のすぐそばには民宿が並び、ノスタルジックで温泉街らしい雰囲気も感じられる。夏には海水浴場として賑わう場所でもある。

しばらく砂浜を歩いたり、自由気ままに過ごしていると、ちょうどフェリーが港へ戻ってきた。大きな船に気づいて、嬉しそうに手を振る。そんな姿が微笑ましく、フェリーを追いかけるように、フェリー乗り場へ向かうことに。
海風を感じながら、「駿河湾フェリー土肥港乗り場」へ

「駿河湾フェリー土肥港乗り場」は、土肥港と清水港を結ぶ駿河湾フェリーの発着地。日本で最も深い湾として知られる駿河湾を横断するように移動する船旅を体験できる。
追いかけていたフェリーは、タッチの差で海へと出て行ってしまった。大きな船を間近で見せてあげたかったな、と少し残念な気持ちもありつつ、目の前に広がる海をふたりで眺めていると、不思議と心が満たされていく。寄せては返す波の音や、ゆったりとした港の空気に包まれながら過ごす何気ないひとときさえも、旅の中では特別に感じられる。



遠くを行く船を目で追いながら、しばらくじっと景色を眺めたり、フェリー乗り場で、両手を大きく広げて風を感じたり。そんな無邪気な姿を見ていると、こちらまで笑顔になる。
いつかまたここを訪れて、遮るもののない海の上からの雄大な景色を一緒に見てみたい。そんな願いが心に浮かぶ。
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駿河湾フェリー土肥港乗り場
基本データ
<住所>静岡県伊豆市土肥2920
<TEL>054-353-2229
<定休日>なし(フェリーの運航状況に準ずる)
<駐車場>あり(約35台)
行き方・アクセス
<電車>JR三島駅南口から東海バス「松崎」行(特急)で約1時間20分、「土肥港」バス停下車すぐ
<車>東名高速「沼津IC」から約1時間30分、または新東名「長泉沼津IC」から約1時間10分
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テラッセ オレンジ トイに戻って「マジックアワーカフェPorto101」へ
海遊びに夢中になっていたら、気づけばランチを取るタイミングを逃してしまっていた。そこで、今回はカフェでアイスをいただきながら、ゆったりと過ごすことに。テラッセ オレンジ トイ1階にある「マジックアワーカフェ Porto101」で、ひと休み。


「ミルクソフトクリーム」と「土肥びわのコンポート」をオーダー。ひんやりとした甘さにほっとする。土肥びわのコンポートは、甘く煮たびわと濃厚なミルクの相性が抜群で、やさしい甘さが広がる。スタッフの人が声をかけてくれ、その温かな雰囲気にふっと肩の力が抜けていくのを感じる。

今度は名物のプリンも味わってみたい。そんなことを思いながら、アイスで気分もすっかりリフレッシュ。まだまだ遊び足りない様子の子どもと一緒に、次は松原公園へと向かう。
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マジックアワーカフェ Porto101(ポートイチマルイチ)
基本データ
<住所>静岡県伊豆市土肥2644-1テラッセ オレンジ トイ 1F
<TEL>070-8497-7161
<営業時間>8:00-17:00※季節により変動あり
<定休日>なし(不定休)
<駐車場>あり(154台 テラッセ オレンジ トイ駐車場)
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「松原公園」でのびのび遊ぶ
宿泊先に向かう前に、テラッセ オレンジ トイからは徒歩ですぐの「松原公園」へ、ちょっとだけ寄り道。海沿いの道を少し歩くと、また違った景色に出会える。それこそが、みなとオアシス土肥ならではの楽しみのひとつ。

松原公園といえば、ギネスにも認定された世界一の花時計が有名。広々とした公園の中でひときわ目を引いている。以前は針のあるアナログ時計だったが、現在はデジタル表示に変わり、外観も少し違った印象に。
花で彩られた時計の上を楽しそうに歩き回りながら、その大きさを体いっぱいに感じている。花時計のまわりは足つぼの道。遊び心のある仕掛けに、親子で挑戦してみたくなる。



園内にはすべり台やロープ遊具などもあり、思い思いに遊んでいる子どもたちが多く見受けられる。普段とは違う遊具に目を輝かせながら、夢中になって遊ぶ。体をたくさん動かしながら遊ぶうちに、笑顔がどんどん広がっていく。
みなとオアシス土肥は、観光地でありながら、公園のような日常の心地よさも感じられる場所。心地よく、つい長居したくなる。
土肥温泉 15:09発
東海バス
↓
宇久須 15:32着
すぐ
↓
東海バスに乗って、子どもも大人もわくわくする宿「ばすてい」へ
土肥温泉のバス停から、東海バスW39系統「松崎行き」に乗って、次の目的地・宇久須へ。約23分のバスの時間。

キラキラと光る海を車窓から眺める。ゆるやかにカーブする道に沿って、景色が少しずつ移り変わっていく様子が楽しい。ふと後ろを振り返ると、遠くには富士山の姿も。海と山、どちらも一度に感じられるこの景色はとても贅沢。
富士山は、何度見てもやっぱり惹かれてしまう存在。気づけば夢中になってシャッターを切り、その瞬間を写真に残していた。

そうしていると、少し先にある「富士見台」バス停で、景色を楽しめるようにと、運転士が少しだけバスを停めてくれた。そのさりげないやさしさに、なんだか心があたたかくなる。こういう小さな出来事も、旅の大切な思い出になっていく。
目の前に広がるのは、バス停と街、そして富士山。やっぱり、富士山が好きだな、と改めて思った。


今宵の宿泊先「ばすてい」に到着。「宇久須」バス停のすぐそばにあり、かつて鉄道との直通乗車券も販売していたバス案内所「宇久須駅」の建物を活用した宿泊施設。長年、地元市民に親しまれていたが、築73年を迎えた2022年3月にその役目を終え、新たなかたちで生まれ変わった。
「ばすてい」というその名の通り、「バス」と「ステイ」を掛け合わせたユニークな宿で、実際に使われていた路線バスに泊まることができる。さらに、1日1組限定という特別感も、この宿ならではの魅力。

敷地内には、かつて路線バスとして24年間活躍してきた「ジャーニー」と呼ばれる車両が置かれている。その存在感に目を奪われ、親子で心を弾ませる。普段は移動手段として利用するバスの中で一晩過ごす時間は、ここでしか味わえない貴重な体験。



中に入るとベンチや本棚が並び、どこか懐かしい雰囲気。並んでいた絵本を手に取り、夢中になってページをめくりながら、その空間を楽しむ。外のにぎやかさとは対照的に、静かでゆったりとした時間が流れていく。
ただ泊まるだけではなく、ここで過ごす時間全てが刺激的。そんな特別な魅力が詰まった宿。




バス車内には、たくさんのスイッチやレバー、電気系統などがそのまま残されていて、自由に触れることができる。運転席に座ってハンドルを握れば、すっかり運転士気分に。スイッチをひとつひとつ確かめるように触りながら、夢中になって遊ぶ。
運転席の後ろには運転士の帽子も用意されていて、さっそく着用。さらに気分も高まり、目の輝きが増す。普段は絶対にできない体験に心を躍らせながら、その時間を存分に楽しんでいる。そんな姿も、旅の忘れられない思い出になる。

バスを満喫したあとは、近くの海を散歩することに。ばすていから徒歩3分ほどの場所にある「宇久須海岸」へ。この日は曇りで夕陽を見ることはできなかったものの、静かに広がる海を眺めていると、それだけで気持ちがすっと落ち着いていく。ゆるやかで心地よい時間が流れている。
宿の近くにあるコンビニで、飲み物や翌朝用のパン、軽くつまめるものなどを購入。滞在中に足りないものを気軽に買い足せるのは嬉しい。
すっかり暗くなった夜道を歩きながら、ふたりで交わす何気ない会話も、旅の中のささやかで大切な時間。

宿に戻って、待ちに待った夕食タイム。事前予約しておくと、近くの民宿「四季の里 まきば」から運んでもらえ、お部屋でゆっくりと食事ができる。この日は、四季の里 まきば特製の【BBQ&西伊豆名物 海賊焼セット】をいただいた。


自分たちで焼きながら味わう時間も含めて、非日常を感じられるひととき。中でも、お肉がとても美味しくて、「これおいしいね」とふたりで言い合いながらいただく。いつも以上に「おかわり!」と夢中になって食べている姿を見ると、なんだか嬉しくなる。
食事のあとも、ゆっくりとおしゃべりをしながら、ふたりだけの特別な夜を過ごした。

ばすていは、お風呂や洗面所などの水まわりも含め、全体的に清潔感があり、居心地よく過ごせる。また、道沿いにあり目の前がバス停という立地から、「外から見えたりしないかな?」と気になる人もいるかもしれない。でも、実際に泊まってみるとプライベート空間はしっかり守られていて、母娘ふたりでゆったりとくつろぐことができた。

いつもより少しだけ夜更かしをして、ふたりでゆっくり過ごした時間も、なんだかとても嬉しくて、ずっと心に残っている。
旅から戻った翌日、牛乳パックやペットボトルのフタ、折り紙を使って東海バスを作って遊んでいる姿を見て、この旅の思い出がしっかりと心に刻まれていることを感じた。一緒に旅ができてよかったなと、あらためて思えた。
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ばすてい
基本データ
<住所>静岡県賀茂郡西伊豆町宇久須249-2
<TEL>0557-36-1119 (受付時間 平日9:00〜17:40 ※土日祝日・年末年始はお休み)
<利用料金>宿泊プランによる(公式サイト等で確認)
<定休日> なし(年中無休)
<駐車場>あり(1台・無料)
行き方・アクセス
<電車>JR三島駅 南口4番のりばから、東海バス「松崎」行(特急)で約1時間35分、「バイパス宇久須」バス停下車徒歩4分/修善寺駅4番バスのりばから、東海バス「松崎」行(快速)で約1時間10分、「宇久須」バス停下車すぐ
<車>東名高速「沼津IC」または新東名高速「長泉沼津IC」より約1時間20分
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『東海バスフリーきっぷ』を使って静岡県の西伊豆(土肥・堂ヶ島)エリアをバスで巡る、親子ふたり旅。GENICプロデュースで、フォトグラファーのENA.さんが娘さんと出かけた1泊2日のぶらりバス旅を紹介。
かつてのバスの待合室を活用した宿「ばすてい」での特別な宿泊体験や、初めて目にする荒波に削られた岸壁など、非日常を感じながらも、静かでのんびりとした時間も流れる2日間。親子で「たのしいね」「きれいだね」と何度も言葉を交わしながら、西伊豆をたっぷりと堪能した。母娘バス旅の様子を、フォトグラファー目線と母目線で切り取った写真とともに届ける。