別荘地として知られる伊豆高原。1961（昭和36）年に伊豆急行線が開通し、大室山周辺を伊豆急行が温泉付き別荘地として開発したことにより、今のような別荘地になった。春になると、伊豆急行・伊豆高原駅から大室山へ向かう道の両側に植えられた、約600本の大寒桜やソメイヨシノが咲き乱れる。満開になると、桜のアーチが完成し、「桜トンネル」になるのだ。
熱海もリゾート地として知られるが、伊豆高原の方はどちらかという軽井沢のような森に囲まれた閑静な別荘地。戸建ての別荘地なので一軒一軒が大きく、おしゃれな外観が目を惹く。坂道が多いので、地元の方も足腰が鍛えられるという話をよく聞く。森林浴を楽しみながら散歩するにもいいところなのだ。ただし、ちょっと迷路のように入り組んでいるので、迷わないように注意を。
伊豆高原には、ちょっとコアな美術館や博物館が多く、時々メディアで紹介されているのを見た方もいるのではないだろうか。イタリアンやフレンチ、ジャズやクラシックの演奏が行われるレストラン、カフェなどおしゃれなお店も多く、ガラスや陶芸、キャンドルなどのクラフト体験ができる施設もある。おしゃれでご夫婦で営んでいるようなアットホームなペンションも多いので、ぜひ宿泊して近隣の施設巡りを楽しむのもいい。
静かな時間を過ごしたいご夫婦はもちろん、近隣にはアクティビティ体験ができるスポットもいくつかあるので、子ども連れのファミリーも楽しめる場所だ。（写真提供：静岡県観光協会）
伊豆高原にあるさまざまな美術館や博物館をはじめ、「伊豆シャボテン動物公園」「大室山登山リフト」「伊豆ぐらんぱる公園」、空と海とが一体になったような絶景が楽しめる「小室山リッジウォーク“MISORA”」など、伊東市内20施設の割引などの特典がつく、東海バスフリーきっぷ「伊東・伊豆高原２日券」はおすすめ。バスに乗って、地元の空気を感じながら、施設巡りをするのもいい。行きたい施設が対象になっているかどうかを確認し、ぜひお得な方法で旅を楽しんでほしい。詳細は下記のサイトでチェックを。
https://www.tokaibus.jp/rosen/ito_kanko_freepass.html
別荘としても人気が高いが、最近では定住する人も増えてきており、中にはここから首都圏へ通勤する人もいる。以前、取材を通じてお邪魔させていただいたご家族は、中古の別荘の家を購入し、定住されたそう。家に引き込まれた温泉に毎日入り、緑に囲まれた、見晴らしのよい本当に素敵な住宅だった。首都圏では到底手に入ることがない一軒家も、ここでなら手が届く価格でしかも温泉付きも選べる。広々とした庭を少しずつ手入れしながら、野菜を植えたり、DIYでいろいろなものをつくられたりと、実に充実した暮らしだった。
伊豆高原（いずこうげん）
住所：静岡県伊東市
TEL：0557-37-6105（伊東市観光案内所）
福岡県出身、名古屋の編集プロダクションでデザイン・執筆の仕事をしたあと、2004年に静岡市へ移住。出版社でwebディレクターとして勤務後、2007年に取材・執筆・撮影・編集・デザインを生業とするフリーランスとして活動開始。静岡県内各地を飛び回りながら、静岡の魅力を発掘中。
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