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【黒柳】中伊豆温泉郷の元祖・温泉まんじゅう

2022/10/11
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Akari Enomoto中伊豆伊豆の国市
【黒柳】中伊豆温泉郷の元祖・温泉まんじゅう

静岡県伊豆の国市長岡にある「黒柳(くろやなぎ)」では、創業から最高級の材料を使ったこだわりの温泉まんじゅうを製造している。長岡にある中伊豆温泉郷では、「黒柳」が最初に温泉まんじゅうをお土産として売り出したことから、元祖の名がついている。
1945(昭和20)年の創業当時は、戦後まもない時代。砂糖は統制物資だったため、多くの菓子屋は代用品として化学調味料を使用していた。しかし、「黒柳」では当時から貴重な砂糖を使用しておまんじゅうを製造していたため、お菓子本来の味を味わえたのだ。(写真提供:黒柳)

こだわりの詰まった温泉まんじゅう

こだわりの詰まった温泉まんじゅう

薄皮や餡子に使われる材料だけでなく、生地を混ぜるときに使用する水にもこだわりがある。

岩の間から湧き出る岩清水(いわしみず)を使用し、滑らかな舌触りの薄皮を製造しているのだ。
餡子の練り具合、砂糖を入れる量やタイミングは、季節によって異なるため、長年変わらぬ味を守っているのも職人のなせる技だ。
また、保存料などの添加物を一切使用せず、食べる人の健康に配慮したお菓子造りを行っている。温泉まんじゅうは、店頭販売の他に通信販売も行っているので、自宅にいながら注文できるようになった。(写真提供:黒柳)

製造工程を取材した

製造工程を取材した

黒柳 温泉まんじゅう 製造

黒柳 温泉まんじゅう 製造

店内には温泉まんじゅうを製造するスペースが併設されている。
特別に製造しているところを間近で取材させてもらった。
餡子を詰めた生地はベルトコンベヤーで運ばれ、蒸し器に入れる網に均等に並べられる。
1つの網に並ぶ温泉まんじゅうの数は60個。

 

黒柳 温泉まんじゅう 製造

黒柳 温泉まんじゅう 製造


均等に並べられた後、1枚1枚蒸し器にセットされ、その蒸気を利用して蒸し上げる。
取材したときには、8枚セットされていたので、この一回で480個できあがっていた。

 

黒柳 温泉まんじゅう 製造

蒸しあがると手早く焼き印が押される。

 

黒柳 温泉まんじゅう 製造

黒柳 温泉まんじゅう 製造

温泉まんじゅうの下部分が一番熱くなっているため、荒熱をとるためにひっくり返すのだ。
筆者は餡子がでていないかチェックしていると勘違いしてしまったので恥ずかしくなった…。

 

黒柳 温泉まんじゅう 製造

黒柳 温泉まんじゅう 製造

このレコードのような機械に1つひとつ温泉まんじゅうをセットしていくとフィルムに包まれる。温かいうちに包む必要があるため、時間との勝負だ。
昔から変わらぬ食材へのこだわりや食べる人に配慮した造り方はそのままに、製造効率の向上させるため機械を導入し、より多くの方に中伊豆温泉郷の元祖・温泉まんじゅうを届けている。

製造作業を見ることができる

製造作業を見ることができる

黒柳 温泉まんじゅう

取材のために間近で製造作業を見学させてもらったが、実は、店内外にある大きなガラス窓からもこの作業風景をみることができる。

普段めったに見ることのない和菓子造りをぜひ覗いてみよう。丁寧に造られている様子を自分の目で見ることができる。


筆者のおすすめは、出来立ての温泉まんじゅうに焼き印を押す作業。
ガラス窓の近くで作業されるので間近で見ることができ、ポンポンとリズミカルに押されていく様子は、(もうすぐ完成だ!)と心が躍ること間違いなしだ。

京菓子やゼリーも取り扱っている

京菓子やゼリーも取り扱っている

温泉まんじゅうの他にも、色とりどりのお菓子がショーケースに並ぶ。
各月厳選されたお菓子を京都から取り寄せており、こちらは店頭販売のみ。売り切れ次第終了となる。
どんな京菓子に出会えるか、毎月の楽しみになるはずだ。(写真提供:黒柳)

 

黒柳 店内

黒柳 店内

京菓子の他にも、おせんべいやゼリーも取り扱っている。
しょっぱいおせんべいやさっぱりした味わいのゼリーは甘い温泉まんじゅうや京菓子との相性も抜群だ。
箱入りのゼリーは手土産や贈答品としても人気が高い。

 

黒柳 店内

また、店内には茶室が設けられている。

お茶のサービスは行っていないが、日本の風情を感じられる粋な計らいだ。

黒柳の基本情報

黒柳の基本情報

黒柳(くろやなぎ)
住所:静岡県伊豆の国市長岡1288-6
TEL:055-948-0789
URL:http://www2.tokai.or.jp/kuroyanagi/
営業時間:8:00~14:00(売り切れ次第閉店)
休業日:水曜日
駐車場:あり
アクセス:伊豆長岡駅より徒歩約20分

 

 

この記事を書いた人

Akari Enomoto

河津町在住。「Izu Letters」編集担当。大の猫好き。趣味は伊豆のオシャレなカフェめぐりと言いたいところだが、休日はだいたいお昼まで寝ている。最近、早起きをして行ったカフェは、伊豆高原にある「ねこカフェ にゃおん」。

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