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【南伊豆】築100年超の古民家で出会う、週末だけのインド家庭料理「南豆亭」

2026/03/09
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Kojiro Takamotoカレー南伊豆南伊豆町
【南伊豆】築100年超の古民家で出会う、週末だけのインド家庭料理「南豆亭」

南伊豆町二條の静かな集落に、旅の途中でふと立ち寄りたくなる一軒があります。インド家庭料理の店「南豆亭(なんずてい)」です。

のどかな田園風景の中に溶け込むように佇む築101年の古民家は、初めて訪れるのにどこか安心感のある存在。扉を開けると、ふわりと立ちのぼるスパイスの香りが旅人を迎えてくれます。

 

南豆亭 「カレー」

 

ここで味わえるのは、インドの家庭で親しまれてきた、やさしくて奥深いカレー。東京と南伊豆の2拠点生活を送りながら、週末だけ店を開くというスタイルも、この土地ならではの“無理をしない豊かさ”を感じさせてくれます。

観光地の喧騒から少し離れて、自分のペースを取り戻したいときにぴったりの場所です。

古民家のぬくもりに包まれる心地よい空間

店主の西由紀子さんは、かつて東京・吉祥寺で飲食店を営んでいました。都会の暮らしは刺激的だったけれど、いつしか「もっと自然のそばで、ゆったりとした時間を過ごしたい」と思うようになったという西さん。長年、西伊豆や下田を訪れては、透きとおる海や青い山々に癒やされていくうちに、心の中で少しずつ「この地で暮らしたい」という思いが育っていったといいます。

 

そして2009年、南伊豆への移住を決意。畑を耕し、山に入り、野の花や木々に囲まれた暮らしを始めました。自然の中で過ごすうちに、クロモジやマタタビ、ビワ、ゲットウなど、足もとにある野草の香りや味わいの豊かさに惹かれていったと言います。

 

道の駅で野草茶を販売するうち、「この香りをもっとゆっくり味わってもらえる場所を作りたい」と思うようになり、古民家を改装して「kamochaya」をオープン。店名には「賀茂の茶屋」という意味が込められ、カフェのシンボルは店舗前を流れる青野川でのんびり泳ぐカモのイラストとなっています。

 

kamochaya 店主

 

kamochaya テラス席

季節の移ろいを楽しむ空間と味わい

季節の移ろいを楽しむ空間と味わい

南豆亭 店内

 

南豆亭 店内

 

南豆亭 スパイス

 

古民家の梁や柱を生かした店内は、自然光がやさしく差し込み、時間がゆっくり流れるような心地よさ。椅子とテーブル席に加え、和室や掘りごたつ席もあり、ひとり旅でも友人同士でも、思い思いの過ごし方ができます。

思わず深呼吸したくなるような、肩の力が抜ける空間です。

 

南豆亭 店主

 

南豆亭は、町のチャレンジショップ制度からスタートし、キッチンカー営業を経て、この古民家にたどり着きました。「南伊豆で、無理なく、長く続けていきたい」という店主の想いが、店の隅々にまでにじんでいます。

壁や床の質感、さりげなく置かれた小物まで、空間そのものが物語を語りかけてくるようです。

南伊豆の野菜を引き立てる、やさしいスパイス

南伊豆の野菜を引き立てる、やさしいスパイス

南豆亭 カレー

 

南豆亭 カレー

 

提供されるカレーは、週替わりで3種類。

約50種類あるレシピの中から、その季節、その日の素材に合わせて選ばれます。辛さは控えめで、スパイスの刺激よりも香りとコクを大切にした味わいが特徴。

スパイスが苦手な人でも、思わず「おいしい」と感じられるやさしさがあります。

南伊豆産の新鮮な野菜がたっぷり使われているのも魅力のひとつ。野菜本来の甘みとスパイスが重なり合い、体にすっと染み込むような感覚に。

3種のカレーを一度に楽しめる「南豆亭スペシャル」は、彩りも美しく、写真に収めたくなる一皿です。

訪れるたびに違う組み合わせに出会えるので、リピーターが多いのも納得。

旅の記憶に残る、南伊豆の寄り道スポット

旅の記憶に残る、南伊豆の寄り道スポット

営業は金曜〜日曜の週末限定。

「週末しか開いていない」

その限定感が、ここで過ごす時間をより特別なものにしてくれます。

観光地を巡る合間のランチとして立ち寄るのはもちろん、南豆亭を目的に南伊豆を訪れるのもおすすめです。

古民家で味わうやさしいインド家庭料理と、南伊豆の穏やかな空気。食後に外へ出ると、さっきまでの時間が少し夢のように感じられるはず。

南豆亭は、旅の思い出にそっと温度を残してくれる、そんな“記憶に残る寄り道スポット”です。

南豆亭の基本情報

南豆亭

住所:静岡県賀茂郡南伊豆町二条343

営業時間:ランチ:11:30〜17:00(カレーが無くなり次第終了)

営業日:金曜日〜日曜日(詳細はインスタグラムで告知)

駐車場:あり

アクセス:伊豆急下田駅から東海バス「下賀茂」行に乗車(乗車時間27分)、「下賀茂」バス停で「入間・中木」行へ乗り換え(乗車時間8分)、「松尾(南伊豆町)」バス停下車、徒歩1分 

 

 

 

 

この記事を書いた人

Kojiro Takamoto

大阪府出身、南伊豆町と東京都の2拠点生活を送る会社員。伊豆下田経済新聞のライターとして伊豆半島南部の魅力を発信しています。

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