伊豆 大室山の山焼き。伊豆に春をもたらす壮大な風物詩
2024/01/30(2024/02/13)
GENIC編集部伊東市東伊豆
伊豆に春を告げる、大室山の山焼きとは?
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伊豆エリア全体を代表する春の観光行事が、大室山の山焼きです。山焼きとは文字通り、山に生えた様々な雑草や雑木を一斉に焼き払う行事。大室山の山焼きでは、山頂のカルデラ内を焼く「お鉢焼き」と山麓から火をつけて山全体を焼く「全山焼き」の2工程に分けて行われます。
「お鉢焼き」は火口の入り口付近、浅間神社の周辺、火口の底から山頂へ、の3工程で行われ、火口の周辺から見学することができます。近距離で燃え広がる炎の様子や熱気を体感できる、迫力満点の体験です。お鉢焼きが終わったら、見学者は下山します。
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続いて行われるのが、山麓から頂上へ向かって炎が広がる「全山焼き」です。「全山焼き」は40分ほどかかります。緑の山に炎が広がり、山の色が黒く変わって行く様子はその場でしか体験できない迫力、熱気に包まれ、炎の勢いと立ち上る煙に目が惹きつけられることでしょう。
「全山焼き」は大室山が見える場所であればどこからでも様子がわかりますが、見学に適したスポットが3箇所あります。一番のおすすめが山の西側、さくらの里からの見学です。山焼きの熱気や匂いなどをもっとも体感できる場所です。反対の東側からは複数箇所から点火された炎が合流する様子を見学でき、高く登る炎が一番よく見える場所です。もうひとつ、山の南側は日当たりが良いため茅が乾いており、勢いよく燃える炎をみることができます。
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2024年の開催日は?開催日チェックを念入りに
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大室山の山焼きは例年2月の第二日曜日に予定されています。2024年2月の第二日曜日は11日です。ただし、実施日に雨が降ってしまった場合は、開催することができません。実施日が晴れの日であっても、前日や前々日に雨が降っていると、実施日までに山が乾かないため、開催は延期になることが多いようです。実施日に強い風が吹いている場合は、火の勢いが強くなりすぎて燃え広がってしまうため、開催できません。山麓ではそれほど風が強くない場合でも山頂では強い風が吹いていることもあります。予定通りに実施できる年の方が少ないため、観光の予定は余裕をもったスケジュールを立てましょう。ちなみに2023年の山焼きは、2週延期の2月26日に行われました。
※急な天候不良により2月18日(日)に延期されました
山焼きの日程やリフトの運行状況については大室山登山リフトのホームページに記載があります。大室山に出かけたい、特に山焼きを見に行きたい方は事前にホームページのチェックを念入りに行なってください。駐車場が充実しているので自家用車でのアクセスも便利です。
国立公園伊豆・伊東 大室山登山リフト
https://omuroyama.com/
電話番号:0557-51-0258
見るだけでは物足りない? 山焼きに参加してみよう
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大室山の山焼きの前半であるお鉢焼きは消防団の方が点火します。範囲が狭く、神社やアーチェリー場への延焼を防ぐ必要もあるので、慎重に手早く行われます。一般の方は山頂のカルデラ周辺から燃え広がる炎を見学するだけです。
一方後半の全山焼きの点火には多くの方が参加されます。山焼き保存会の方、消防の方だけでなく、市民や観光で訪れた方も点火に参加できます。少し離れて炎を見学するのも貴重な体験ですが、一歩踏み込んで点火に参加するのもよい思い出づくりになることでしょう。また当事者のひとりとして関わることで、伊東市や伊豆により親近感を感じることができることでしょう。観光客用のタイマツは当日朝からリフト乗り場付近で数量限定で販売されます。
大室山 山焼きの歴史
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山焼きの歴史はおよそ700年前まで遡ります。山焼きの目的は良質な茅(かや)を育てるための農事でした。茅は茅葺き屋根や炭を包むための俵作りなどに利用され、当時の生活には欠かせない貴重な植物だったのです。
かつての大室山は御神体としての信仰の対象であると同時に、農民に良質な茅をもたらす大切な採草地でした。当時の人々は良質な茅を育てるための知恵として雑草や雑木を排除し、茅が育ちやすい環境を作るために山焼きを始めたのです。
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しかし生活スタイルが変化し、茅の需要が減っていくとともに山焼きの必然性も減っていきます。大室山の山焼きは、昭和30年代に一旦幕を降ろすことになります。
現在の山焼きは伊豆エリアや伊東市の観光事業を盛り上げようと、地域の住民が中心になって復活させたものです。伊東市池区が中心となって開催される山焼きは、今や伊東市、いえ伊豆全体を代表する観光行事となり、3万人もの方が訪れるようになりました。
大きな行事になるにつれ、安全対策にも万全の配慮がなされています。火が必要以上に燃え広がらないように、延焼範囲を区切るようにあらかじめ5mほどの幅の草を刈って防火帯を作っています。この防火帯作りは区民が中心となり、丸4日以上かけて作業されます。
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ちなみに山焼きは他の地域でも実施されています。鍾乳洞で有名な山口県の秋芳洞では広大なカルスト台地を舞台に国内最大規模の山焼きが行われます。また別府温泉では「別府八湯温泉まつり」のメインイベントとして扇山で山焼きが行われます。
現代の山焼きは、昔の農事や神事として実施されていたものを、伝統の継承と観光事業を目的に安全に配慮して受け継いでいます。迫力ある光景を楽しむとともに、行事の由来などに目を向けてみることで、より深く山焼きを堪能できることでしょう。
大室山 山焼きの危険対策
伊東市を代表する観光行事となっている大室山の山焼きですが、その実施には保存会や地域の方の様々な気配りが隠されています。
もっとも配慮されているのは、炎を扱うことの危険対策です。前述した防火帯の設置もそのひとつですが、思わぬ強風が火の粉を巻き上げ近隣への延焼の原因になることもあります。見物客の方へ火の粉が飛び、怪我を負うような事態も防がねばなりません。
延期は観光行事の機会損失にも繋がるので、主催者側にとってもできれば避けたいという面があるでしょう。しかし自然を相手にする行事であるため、不測事項への配慮は過剰なくらいで丁度よい、という考え方をもとに、徹底して行われています。
国立公園伊豆・伊東 大室山登山リフト
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豊かな自然に囲まれた伊豆地方は日本でも有数の観光スポットです。その中でも伊東市の大室山で行われる山焼きは、美しい山すそを大きな炎が焼き尽くす壮大な行事で多くの観光客が訪れます。大室山の山焼き、普段の大室山観光と山焼きの歴史を紹介します。