【熱海・幸華】暖簾の先にある物語 熱海で九十余年続く中華料理店
2026/02/06
H.Isobe中華北伊豆熱海市食
旅先で出会う一軒の食堂が、その町の印象を決めてしまうことがあります。観光名所を巡る合間、ふと暖簾をくぐった先で感じる匂いや声、湯気の立つ一皿が、あとになって旅の記憶として鮮やかによみがえる——そんな経験はないでしょうか。熱海・渚町に店を構える中華料理店「幸華」は、まさにそうした存在です。昭和の空気をまといながら、今も変わらず人々を迎え入れるこの店には、料理だけでなく、街と共に積み重ねてきた時間が息づいています。

街の記憶を湯気にのせて——老舗「幸華」が守り続ける時間
熱海の街で長く暖簾を掲げてきた中華料理店「幸華」。1931年に初代が平塚で創業し、やがて熱海・糸川沿いに屋台を構えたのが始まりでした。
熱海大火や観光地としての変遷をくぐり抜けながら、店はこの街と共に呼吸し続けてきました。
小説家・坂口安吾や漫画家・赤塚不二夫、歌手・内田裕也ら文化人が通ったという逸話も、幸華が単なる食事処ではなく、人と物語が交差する場所であったことを物語っています。一皿の中に積み重なるのは、味だけでなく、熱海の時間そのものなのです。

手仕事が生む一皿が、日常を少し特別にする
幸華の料理は、奇をてらわず、しかし確かな手仕事に支えられています。一つ一つが手作りで、スープは丁寧に引かれ、中華鍋からは軽やかな音と香りが立ち上ります。

名物の「ジャンボ焼売」は、創業当時に初代が東京名店街のコンテストで優勝したこともある看板料理で、ひと口ごとに肉の旨みが広がります。

「海鮮あんかけチャーハン」や「五目そば」、「揚げ焼きそば」など、どの料理にも共通するのは「きちんと美味しい」という安心感です。観光客だけでなく、地元の人が日常的に足を運ぶ理由が、そこにはあります。派手さではなく、確かさで記憶に残る味わいです。


観光の途中で立ち寄りたい、懐の深い中華屋
幸華は、観光の合間にふと立ち寄るには最適の場所です。市役所や糸川遊歩道から歩いて数分。熱海の中心にありながら、少し喧噪から離れた場所で、あたたかい中華の匂いが訪れる人を迎えてくれます。
カウンター越しに交わされる「いらっしゃい」の声には、旅人も地元客も分け隔てなく迎え入れる懐の深さがあります。ランチでもディナーでも、料理の味と店内で交わされる会話がゆったりと溶け合い、いつの間にか旅の記憶の一部になっていきます。
昭和の空気と現代の感性が自然に混ざり合うこの場所で、熱海の町はまた新しい物語を静かに紡ぎ出しているようです。


幸華の基本情報
幸華
住所:静岡県熱海市渚町12-11
TEL:0557-81-3901
営業時間:11:30〜15:00(L.O14:30)、17:30〜20:00(L.O19:00)
休業日:火曜日
駐車場:なし
アクセス:熱海駅より東海バス「ひばりが丘/紅葉ヶ丘/上の山/網代旭町」行に乗車(乗車時間5分)、「銀座」バス停下車、徒歩1分

この記事を書いた人
熱海在住、ローカルメディア編集長。静岡県委嘱ライター、テレビ番組への出演などを通して、静岡、伊豆、熱海の魅力を発信しています。
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旅先で出会う一軒の食堂が、その町の印象を決めてしまうことがあります。観光名所を巡る合間、ふと暖簾をくぐった先で感じる匂いや声、湯気の立つ一皿が、あとになって旅の記憶として鮮やかによみがえる——そんな経験はないでしょうか。熱海・渚町に店を構える中華料理店「幸華」は、まさにそうした存在です。昭和の空気をまといながら、今も変わらず人々を迎え入れるこの店には、料理だけでなく、街と共に積み重ねてきた時間が息づいています。