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【沼津・どんぐり】50年愛され続ける甘味処 昭和レトロと“流れる喫茶店”が今も人を惹きつける理由

2026/08/21
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Mayumi Miyagawa北伊豆沼津市
【沼津・どんぐり】50年愛され続ける甘味処 昭和レトロと“流れる喫茶店”が今も人を惹きつける理由

「注文したパフェが、水の流れに乗って目の前までやって来る」。

初めて訪れた人はもちろん、子どもの頃に訪れたことがある人でも、思わず笑顔になってしまう光景。

沼津駅南口から徒歩約4分。仲見世商店街近くにある「甘味処どんぐり」は、2026年7月27日に創業50周年を迎えました。

半世紀もの間、多くの人に愛され続けてきた理由は、単なる「珍しい店」だからではありません。そこには、昭和の空気をそのまま閉じ込めたような空間と、「変わらないこと」を大切に守り続ける店主の思いがあります。

水路を流れて届く名物スタイル

水路を流れて届く名物スタイル

「甘味処どんぐり」最大の魅力は、「リバーカウンター」。

注文した料理やスイーツは木の桶にのせられ、水の流れに乗って席まで運ばれてきます。

まるで小さな川下りを眺めているような光景に、大人も子どもも自然と視線を集めて夢中になります。

料理が近づいてくる時間さえも楽しめるこの演出は、全国的にも珍しいスタイル。

SNSで動画が拡散されたこともあり、今では「一度は行ってみたい喫茶店」として全国から多くの人が訪れています。

実はこの仕組みは、店主・斉藤重昭さんが若い頃、埼玉県大宮市にあった喫茶店で見たスタイルに感銘を受け、自身の店に取り入れたものだそう。

50年経った今も色あせない名物となっています。

鮮魚店から喫茶店へ

鮮魚店から喫茶店へ

斉藤さんが店を開いたのは28歳のとき。

もともとは祖父の代から続く鮮魚店でした。

しかし、「朝が早い仕事は自分には向いていなかった」と笑う斉藤さんは、喫茶店へ業態転換します。

当時はコーヒー中心の純喫茶が多かった一方で、甘味を楽しめる店はまだ少なかった時代。

「甘いものを楽しめる店をつくりたい」

そんな思いから、パフェやあんみつなどの甘味を中心とした現在のスタイルが誕生しました。

50年間変わらない人気メニュー

50年間変わらない人気メニュー

創業以来、人気のメニューは「いちごパフェ」。

そして、甘味処でありながら食事メニューとして根強い人気を誇るのが「きしめん」。

甘いものを楽しみに訪れる人もいれば、「今日はきしめんが食べたくなった」と来店する常連のお客さんも少なくありません。

 

甘味処 どんぐり 「きしめん」

 

筆者も小・中学生のころ、電車に乗って沼津に来て、友達と一緒にどんぐりに来るのが楽しみのひとつでした。

きしめん、必ず注文していた気がします。

 

そのほか、磯辺もちや抹茶パフェなど、昔ながらの喫茶店らしいメニューも充実。

どこか懐かしく、ほっとする味わいが世代を超えて支持されています。

昭和レトロ好きにはたまらない空間

店内へ一歩足を踏み入れると、まるで昭和時代へタイムスリップしたような感覚になります。

まずは券売機でチケットを購入。

 

甘味処 どんぐり 「券売機」

 

40席ある店内には、昭和の雑貨やレトロなおもちゃ、懐かしいポスターなどが並びます。

1977年製のRock-Ola社製ジュークボックスも現役で店内を彩り、昭和の雰囲気をより一層引き立てています。

 

甘味処 どんぐり 「ジュークボックス」

 

席には東海道五十三次の宿場町の名前が付けられ、細かな演出にも遊び心が感じられます。

 

甘味処 どんぐり 店内

 

「昭和レトロ」と「体験型喫茶」。

この二つが自然に融合していることが、どんぐりならではの世界観をつくっています。

海外からも訪れる人気スポット

近年はテレビや雑誌、インターネットメディア、SNSなどで紹介される機会が増えました。

現在では来店客の約半数が県外からの観光客。

さらに台湾、中国、韓国など海外から訪れる旅行者も増えているそうです。

珍しい提供スタイルを動画で撮影し、楽しそうに笑う姿は、今やどんぐりの日常風景になっています。

店内ではオリジナルグッズも販売され、旅の記念として購入する人も少なくありません。

 

甘味処 どんぐり オリジナルグッズ

 

「新しいことはやらない」

「新しいことはやらない」

50周年という節目を迎え、今後について尋ねると、斉藤さんは穏やかにこう話します。

「新しいことをやる予定はない。健康に気を付けて、このまま続けていきたい」

派手なリニューアルや新業態ではなく、「変わらないこと」を大切にする。

その姿勢こそが、多くの常連客に安心感を与え、新しい世代にも新鮮さとして映っているのかもしれません。

変化の激しい時代だからこそ、50年前と同じように水路を流れて料理が届く光景には、どこか心が落ち着く魅力があります。

沼津を訪れたら一度は体験したい喫茶店

沼津を訪れたら一度は体験したい喫茶店

観光地には「見る場所」はたくさんありますが、「体験できる店」は意外と多くありません。

どんぐりでは、料理を食べるだけではなく、料理が運ばれてくる時間そのものが思い出になります。

(逃さずちゃんと受け取れるかな?)と、大人になった今もちょっとハラハラドキドキ。

 

親子三世代で訪れる家族、昭和レトロを求める若者、海外からの旅行客まで、多くの人が同じように笑顔になる光景は、この店ならではです。

 

甘味処 どんぐり 「リバーカウンター」

 

50年間変わらず流れ続けるリバーカウンター。

その水の流れは、人と人との思い出をつなぎながら、今日もゆっくりと店内を巡っています。

沼津を訪れた際には、ぜひ「甘味処どんぐり」で、昭和レトロな空間と、どんぶらこと流れてくる名物スタイルを体験してみてはいかがでしょうか。

甘味処どんぐりの基本情報

甘味処どんぐりの基本情報

甘味処どんぐり

住所:静岡県沼津市大手町5丁目8−22

TEL:055-951-1777

営業時間:11:00~19:00

定休日:水曜日

駐車場:なし

アクセス:沼津駅南口から徒歩約4分

 

 
 

 

この記事を書いた人

Mayumi Miyagawa

静岡県函南町出身。「沼津経済新聞」で地元情報を取材し、地元コミュニティーFMのラジオパーソナリティを務める。興味あるジャンルは、地場産のおいしいものとクラフトビール。伊豆半島の隠れた魅力を発信していきます。

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