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【Antica Trattoria Dal Pirata】蔵を改装したイタリア料理店で伊豆の旬を食す

2022/08/24
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東伊豆河津町
【Antica Trattoria Dal Pirata】蔵を改装したイタリア料理店で伊豆の旬を食す

伊豆急行 河津駅から徒歩約10分。海沿いにあるイタリアンレストラン「Antica Trattoria Dal Pirata(アンティカ トラットリア ダル ピラータ)」は、「その地にある旬の食材」を大切にした、地産地消のスローフードを提供するイタリア料理の店だ。
蔵を改装したという店内は、まるでイタリアのワイン蔵にいるような気分に。
地元で採れた野菜や旬の地魚など、伊豆ならではの食材を活かした料理を楽しむことができる。

旬の食材を活かした料理

旬の食材を活かした料理

「Antica Trattoria Dal Pirata(アンティカ トラットリア ダル ピラータ)」は、ランチ・ディナーともに完全予約制。
素材の鮮度・持ち味を大切にして一皿一皿を提供している。

ランチは3種類のコースから、ディナーは2種類のコースから選択する形となっており、料理内容はシェフにおまかせ。
ディナーをリピートしてくれる方に対しては、都度、ノートに記録し、毎回異なる料理でおもてなし。
「季節を感じながら食事を楽しんで欲しい」というシェフの心遣いが感じられる。

野菜と魚介の旨味のハーモニーが見事なパスタ

野菜と魚介の旨味のハーモニーが見事なパスタ

ランチに訪れた我々は、「Luna ―ルーナー こだわりのメインコース」3,200円を注文した。
パスタ、魚料理または肉料理、ドルチェ、カフェのコース内容だ。


この日のパスタ料理は、浜名湖産アサリとミニトマトのリングエッティーネ。

アサリの旨味とトマトの酸味が調和し、素材の味が重なり合う。
箸(フォークだけど)がどんどんと進み、我々はペロリとパスタを平らげてしまった。
なんとも爽やかなパスタだ。

後輩曰く、「俺も結構家でパスタをつくるんですけど、これは俺でもつくれないっすよ」(当たり前だろ)。


パスタを平らげると、メインが運ばれてきた。

どちらを食べても後悔なし! メインの肉料理と魚料理

どちらを食べても後悔なし! メインの肉料理と魚料理

熱川ポークと季節野菜のアッロースト バルサミコクリームソース

 

トロっとしたバルサミコクリームが肉によく絡み、その甘みとほど良い酸味が、熱川ポークの旨味を際立たせている。

 

熱川ポークと季節野菜のアッロースト バルサミコクリームソース

 

実は魚料理と肉料理をそれぞれ注文したが、筆者は魚派のため、後輩には事前に肉料理を食べて良いと言っていた。
しかし、運ばれてきたおいしそうな肉料理を見た途端、魚派は肉派に変貌。
「肉料理はどちら様でしょうか?」という店員さんの問いに、すかさず「私です」と答える筆者。
後輩からの怒り気味の視線を感じたものの、私の意志は揺るがず、「筋トレには肉を食べてタンパク質を摂るのが大切だって言ってたよね。俺は筋トレを始めたばかりだから肉の摂取は最優先でしょ?」と事前に肉を食べて良いと言っておきながら、よくわからない理論を展開。

すると「確かにそうですね」と悔しそうな後輩。
こんな話が通用するのかと驚いたが、思い起こせば、彼は後輩であるとともに筆者の筋トレの師匠なのだ。
師匠からすれば、弟子が成長したがっているのにそれを阻むことはできない(ただの欲望だが)。
これぞ、筋肉泣き落とし。もしくは筋肉論破。
次回以降も使おう(「でも筋肉には豚肉よりも……」などと、またうんちくを垂れて来たのでそれは完全に無視)。

 

熱川ポークがやわらかい。食べる手は止まらない。
後輩から奪って良かった! 筆者の筋肉も喜んでいる!

 

Pirata_本日の旬の鮮魚と季節野菜インパデッラ 粒マスタードと伊豆産柑橘類のソース

 

本日の旬の鮮魚と季節野菜インパデッラ 粒マスタードと伊豆産柑橘類のソース

 

Pirata_本日の旬の鮮魚と季節野菜インパデッラ 粒マスタードと伊豆産柑橘類のソース

 

後輩は不満げだったが、お魚を口にした瞬間「こっちで良かったっす!」と、魚の身と季節野菜をフォークに重ね、何度も何度もすばやく頬張る。
写真を撮るから待ってと頼めど、「もう食っちゃいましょうよ。おいしさが逃げますよ」と言うことを聞かない。
彼の食レポ的には、「皮目にはしっかりと焼き目がついており、外はカリッとした食感。それとは対照的に、身はふっくらとしており、繊細な甘みや旨味が引き立っている」とのこと。
さすが口だけは達者だ。

 

パン

 

パンをメインのソースにつけ、からめながら食す後輩。
そして語り出す。
「パンをスープに浸すのはNGですけど、ソースにからめて食べるのはOKなんっすよ」。
「しかも、それはソースまで全部おいしいよっていう意思表示なんで、皆ハッピーなんっすよ」。
「ちなみに、皿に残ったソースをパンにつけて食べることを、イタリア語でScarpetta(スカルペッタ)って言うんっすよ」。

「俺グルメなんで、ナポリタンからサルティーニャまで、なんでも来いって感じっすよ」。

 

ナポリタンの発祥は日本じゃなかっただろうか。
料理名を言って地球を横断したつもりなのだろうか。

おいしい料理にはおいしいワインが必須!

おいしい料理にはおいしいワインが必須!

オーガニック イタリアソーダ

 

ついお酒を飲みたくなってしまったが、さすがに編集長に怒られる。

そこで、大人でも楽しめるプレミアム炭酸ジュース、イタリアソーダを注文。

ポンペルモロッソソーダ(ピンクグレープフルーツ)とアランチャロッサ(ブラッドオレンジ)。

どちらもフレッシュな風味で、料理とのペアリングも最高。

ドルチェも手抜かりなし! 芸術的な味とセンスで魅了

ドルチェも手抜かりなし! 芸術的な味とセンスで魅了

海賊の気まぐれドルチェ

 

ドルチェは紅ほっぺのソルベ マチェドニアと、ニューサマーオレンジのゼリー。
既に満足感たっぷりだったが、やはりデザートは別腹。
筆者はニューサマーオレンジのゼリーをいただいたが、さっぱりとしていてあっという間に食べてしまった。
しかしその上をいく輩が。
顔を上げると後輩は既に、紅ほっぺのソルベとマチェドニアを既に食べ終わっていた。

伊豆食材の素材と味をシンプルに活かす

伊豆食材の素材と味をシンプルに活かす

イタリア料理は本来、地元の食材や旬の食材を使う日本料理に非常に良く似たシンプルで素朴な料理だそうだ。
そして、伊豆は新鮮な海の幸、山の幸の宝庫であり、イタリア料理を提供するには最適な場所。
「食材に恵まれた伊豆で料理を作るからには、この伊豆の地で、その季節にしか味わえない、アンティカ トラットリア ダル ピラータでなければ出せない味を提供する」。
そんなコンセプトのもと、徹底的に食材こだわり、地産地消のスローフードを提供しているそうだ。

 

たとえば、トマトは、伊豆下田白浜の小高い山の上にて、こだわりのトマトを作っている「栄ちゃんファーム」のものを使用。
甘みと酸味のバランスが整ったしっかりとした食感のトマトは、地元では「栄ちゃんトマト」の愛称で親しまれている。

また、「紅姫あまご」という魚も使用。このあまごは、刺身でもいただけるもので、天城山系から流れるわさび田の清廉な水で大切に育てられているそうだ。
「清流の女王」の名にふさわしく、とろけるような格別の甘みがある身が特徴だ。

牛肉は、伊豆の国市の「ひらい牧場」で飼育されるブランド牛「伊豆牛」。
伊豆のごく一部でしか流通しておらず、その希少性から「幻の牛」とも言われており、柔らかい肉質と脂の甘さを持つ。

他にも、天城山の米や葉わさびを食べ、狩野川の清涼な水をたっぷりと飲んで育った「天城軍鶏」も見逃せない。
平飼いでストレスなく育てられた肉質は、噛みしめるほどに深い味わいと旨味が口の中に広がる。

築150年以上の蔵をリノベーションした大人レストラン

築150年以上の蔵をリノベーションした大人レストラン

「Antica Trattoria Dal Pirata(アンティカ トラットリア ダル ピラータ)」は、築150年以上ともいわれる古い蔵を改装して営業している。
太い梁からシャンデリアが下がる店内は、上品で洗練された大人の空間。

 

扉

 

重厚感たっぷりの扉。

 

 

テラス

 

ランチはテラスでも利用可能。

 

 

店内

 

落ち着いた店内で、ゆったりと食事を楽しむことができる。

次回はぜひ、酒飲みの編集長を連れ出し、ディナーに訪れたい。
そして、落ち着いたおしゃれな空間でワインとともにおいしい料理を楽しんでみたい。
そうすれば我々も、少しは上品な大人に近づけるであろう。

Antica Trattoria Dal Pirataの基本情報

Antica Trattoria Dal Pirata(アンティカ トラットリア ダル ピラータ)

住所:静岡県賀茂郡河津町谷津484
TEL:0558-34-1788
URL:https://www.dal-pirata.com/
営業時間:ランチ 11:30~14:00(L.O.)

     ディナー 18:00~20:30(L.O.)

営業スタイル:ランチ 予約制 当日予約でも可(2,100円~)

ディナー 3日前までに要予約 3組様限定(5,500円~)

休業日:不定休 ※お電話にてご確認ください。

駐車場:あり(5台)

アクセス:伊豆急行「河津」駅下車 徒歩約10分

 

 

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