【熱海・坂まち】港町の恵みを堪能する海鮮とラーメンの二重奏
潮風に誘われて歩く熱海の坂道。咲見町に佇む「坂まち」は、古くからの地名をそのまま店名に抱き、この街の歴史と風情を料理で表現する和食店です。海鮮丼とラーメンという、一見異なる二つの魅力を、熱海ならではの新鮮な魚介と土地の個性で結びつけ、訪れる人に“ここでしか味わえない一食”を届けています。

歴史と風情が香る、桜の下の和食空間
にぎやかな熱海銀座商店街から少し坂を上り、熱海の名所「坂町の寺桜」のすぐ近くに、店舗名にもひそむ“坂町”という古の地名の呼び声が聞こえてきます。2025年7月18日にグランドオープンしたばかりの「坂まち」は、この土地の記憶への敬意とともに、小さな和食の灯りをともした場所です。

店内は木を基調とした温かみに満ち、熱海の古地図や桜の屏風が壁を彩ります。「坂町の寺桜」から受けたイメージがそっと空間に広がり、歴史と季節感をやわらかく結びつけています。その佇まいは、まるで過去と今が静かに語らい、訪れる人に四季の趣をそっと届けているようです。


海と季節が描く「海の皿めし」
店の看板料理「坂まち 海の皿めし」は、直径30センチほどの大皿いっぱいに地元・熱海魚市場から仕入れる地魚を始め、本マグロ、富士山サーモンなどを贅沢に並べた海鮮丼。赤酢を使った江戸前の赤シャリが、魚の旨味を引き立てます。
ジュレや食用花の彩りが器の中に季節を映し出し、視覚でも味覚でも楽しめる一皿です。港町の息吹と旬の輝きをそのまま閉じ込めた料理は、まるで海そのものをいただくような感覚を与えてくれます。


衝動から生まれた「海そば」
ラーメンを得意とする店主は、国内外で数多くの成功者を輩出し、その中にはミシュラン獲得シェフを11軒も抱えるほどの実力の持ち主。そんな店主が、熱海港で揚がる新鮮な魚を見て「ラーメンを作りたい」と衝動的に生み出したのが「海そば」です。
スープには、一般には出回らない小魚や少し傷のある魚も含めた地魚を使い、滋味深く豊かな味わいを実現。ほとんどの人が最後の一滴まで飲み干してしまうほどの旨さです。季節によって水揚げされる魚が変わってくれば、味も変化していくことでしょう。その時その時の、最高の美味しさが詰まった一杯です。魚介の旨みがスープに溶け込み、訪れるたびに新しい味わいに出会えるのも魅力となっています。
具材は別皿で提供され、まずはスープの真価をダイレクトに楽しめる趣向です。

熱海流で味わう二つの幸せ
「坂まち」では、海鮮丼とラーメンという異なる料理を、どちらも熱海流にアレンジして楽しめます。大皿に広がる海の彩りと、湯気の向こうに漂う魚介スープの香り——その両方を一度に堪能できる場所はそう多くありません。地元の人にとっては日常の贅沢、旅人にとっては旅の思い出となる味。桜が咲く春も、海が深く蒼い冬も、季節ごとの表情を皿の上で感じられる時間がここにはあります。

坂まちの基本情報
坂まち
住所:静岡県熱海市咲見町1-23
営業時間:11:00〜15:00
休業日:不定休(Instagramにて告知)
駐車場:なし
アクセス:JR熱海駅より徒歩約12分
JR熱海駅より、東海バス「上の山/紅葉ヶ丘/ひばりが丘/網代旭町/梅が丘」行に乗車(乗車時間3分)、バス停「東銀座」下車、徒歩2分

この記事を書いた人
熱海在住、ローカルメディア編集長。静岡県委嘱ライター、テレビ番組への出演などを通して、静岡、伊豆、熱海の魅力を発信しています。
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潮風に誘われて歩く熱海の坂道。咲見町に佇む「坂まち」は、古くからの地名をそのまま店名に抱き、この街の歴史と風情を料理で表現する和食店です。海鮮丼とラーメンという、一見異なる二つの魅力を、熱海ならではの新鮮な魚介と土地の個性で結びつけ、訪れる人に“ここでしか味わえない一食”を届けています。