【ペリーロード】食べ歩きやランチも楽しめる | おすすめのお土産も
2022/05/18(2023/08/08)
下田市南伊豆
江戸時代、「出船入船3,000隻」と言われ、船の風待ちや寄港地として栄えた下田。幕末期、ペリー提督一行が黒船に乗って来航、上陸したのが、下田の「ペリー艦隊来航記念碑」がある辺り。その後、日米和親条約付録下田条約締結のために、300人の部下を引き連れて、条約締結の交渉の場「了仙寺」まで歩いた道がペリーロードだ。直進すると大人の足なら約10分で歩くことが可能。当時の面影を残した、レトロでノスタルジックな雰囲気を楽しむことができる。
平滑川(ひらなめがわ)沿いを石畳の道が続き、ガス灯、伊豆石やなまこ壁の家並み、柳並木が見られる。「了仙寺」のほか、日露和親条約締結場所である「長楽寺」、あじさい祭で有名な「下田公園」もこの地区に位置している。他にもおしゃれなカフェやお土産屋、アンティークショップがたくさん並ぶ下田の代表的な観光スポットとなっている。
ペリーロードへの行き方と駐車場情報
ペリーロードへ車で向かうときは、高速道路を利用して新東名高速長泉沼津ICを目指そう。高速道路を下りたあとは、国道414号経由で約80kmの道のりを運転する。所要時間は約2時間である。ただし、ペリーロードには専用の駐車場がない。基本的には、徒歩1分のところにある下田公園入口の駐車場を使う。
原則利用料金がかからないものの、あじさい祭りが開催されている時期は有料となる。なお、あじさい祭りは6月1日〜30日にかけて開かれる。他にも、周辺のコインパーキングの使用も可能。ペリーロードへ行くには、電車を使う方法もある。伊豆急行線を利用し、伊豆急下田駅まで乗車しよう。駅に着いたら、ペリーロードまで徒歩で向かう(所要時間は約15分)。
日本の伝統的な建築様式を保存した休憩施設「旧澤村邸(きゅうさわむらてい)」
ペリーロードは、下田で造船業を営み町長も経験した澤村久右衛門(さわむらきゅうえもん)氏の邸宅でも有名。1918(大正7)年に完成したといわれている通称「旧澤村邸」は、なまこ壁と伊豆石造りの建築様式が特徴。なまこ壁に使われている素材は、消石灰を原料とした漆喰(しっくい)である。漆喰を塗ることで、耐火性に優れた壁をつくることができる。
他にも、伊豆石を使った建物も並んでいる。名称のとおり、伊豆石は伊豆半島で採れる石材を指す。一般的に軟質であることが特徴で、加工しやすい素材となっている。なまこ壁と同じく、耐火性に富んでいる点が強み。いずれも、江戸末期〜大正までの建築物に使われていた。なまこ壁・伊豆石の建物群は、ペリーロードの代表的な観光スポットである。
館内には無料で入場でき、中にはトイレも設置されている。建物の奥には、蔵ギャラリーがある。下田に関するさまざまな写真や絵画が飾られており、無料で見学できる。
DATA
旧澤村邸(きゅうさわむらてい)
住所:静岡県下田市3-16-10
TEL:0558-25-4600
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レトロな骨董品店兼喫茶店「風待工房(かざまちこうぼう)」
アンティークな小物や家具、骨董などがいたるところに並ぶノスタルジックな骨董品屋兼喫茶店。珍しさとレトロな雰囲気で、外国の方や幅広い年代に人気。普段使いできるものから室町初期の常滑焼(とこなめやき)の水瓶など、品揃えが幅広く店内を見て回るだけでワクワクする。お茶を楽しみつつ、歴史あるアンティークに触れてみてはいかがだろうか。
DATA
風待工房(かざまちこうぼう)
住所:静岡県下田市3-13-12
TEL:0558-23-3269
営業時間:10:00~18:00(L.O.17:30)
定休日:水曜
駐車場:なし
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ゆったりくつろげる古民家ギャラリー兼カフェ「草画房(そうがぼう)」
草画房は、逢坂橋(おおさかはし)の近くにある古民家である。1914年(大正3年)に建築され、実に100年以上の歴史を誇る。染め付けの器や彫刻が展示されているほか、カフェとしても営業している。土日及び土日に続く祝日が営業日となっている。店内で注文できるドリンクは、自家製の梅ジュースがおすすめ。また、夏はアイス抹茶フロート、冬にはホット抹茶カプチーノが販売されている。デザートも食べたい方は、チーズケーキを頼むといいだろう。店内には、土間を活かしたテーブル席や、広々としたお座敷の席などがあり、ゆったりとくつろぐことができるため、散策の休憩にもおすすめ。
DATA
草画房(そうがぼう)
住所:静岡県下田市3-14-6
TEL:0558-27-1123
営業時間:土・日曜・祝日(土・日曜に続く祝日)11:00~17:00 ※夏季は時間変更の可能性あり
定休日:土・日曜・祝日(土・日曜に続く祝日)のみの営業。不定休もあり、要電話確認
駐車場:なし
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愛犬とのランチにおすすめ「KAMA’AINA(カマアイナ)」
KAMA’AINAは、ペリーロードにあるハワイアンのカフェである。旬のフルーツを使ったフレッシュジュースが定番メニューとなっている。ランチには、ハワイアンプレートや海鮮系のパスタがおすすめ。その他、ケーキやアイスクリームといったデザート類がいただける。人気メニューのトップ3は、自家製あんみつ、マンゴースムージー、ハワイアンコナコーヒー。テラス席ではペット同伴が可能なため、天気の良い日は愛犬家の皆さまにもおすすめ。
DATA
KAMA’AINA(カマアイナ)
住所:静岡県下田市3-10-13
TEL:0558-27-1580
営業時間:11:00~16:00、18:00~21:00 ※オーダーストップ
定休日:火曜 ※月曜はランチタイムのみ営業
駐車場:なし
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メニュー豊富なカフェレストラン「Flamme Jacque(フラムジャック)
ペリーロードの最南端にある、お洒落なカフェレストラン。最近の人気メニューは写真の「プラチナ豚ロースのグリル生ハム添え」と「磯海苔と地場生ワサビのパスタ」。ボリューム満点のグリル系やハンバーガー、各種パスタ・ビザなどのメニューが揃っている。カフェメニューも充実しているため、散策した後のティータイムに立ち寄るのもおすすめ。お一人様でも、カウンター席があるため大歓迎。また、ペット同伴が可能なため、愛犬家の皆さまにもおすすめ(※ムダ吠えしないワンちゃんに限ります)。
DATA
Flamme Jacque(フラムジャック)
住所:静岡県下田市3-8-8
TEL:0558-22-7073
営業時間:11:30〜21:00(ランチ&カフェ11:30〜15:00、ディナーは18:30までに入店)※平日はお席のご予約可
定休日:不定休
駐車場:あり(軽自動車のみ可)
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歴史ある建物×ソウルミュージック「SOULBAR 土佐屋」
ペリーロードを訪れた方は、「SOULBAR 土佐屋」にも入ってみよう。こちらのお店では、ランチやコーヒーのみならずお酒も楽しめる。江戸時代に建てられた古民家を使っている点が特徴的。店内に入ると、数多くのボトルが並べられている。 「SOULBAR 土佐屋」では、「龍馬」という名前のカクテルを飲むことができる。値段は1杯900円である。船乗りが好むとされる「キャプテンモルガン(ラム酒の一種)」でつくられている。フードメニューも豊富で、メキシカンタコスが1,500円で食べられる。ピザのように、円盤状にして提供している。 「SOULBAR 土佐屋」は、世界中のソウルミュージックファンが訪れることでも有名である。ソウルミュージックは、アメリカで親しまれている音楽ジャンルの1つ。そのため、外国人観光客も多く、店内には写真も飾られている。
DATA
SOULBAR 土佐屋
住所:静岡県下田市三丁目14-30
TEL:0558-27-0587
営業時間:12:00 ~ 15:00、18:00 ~ 深夜 2:00
定休日:不定休
駐車場:2台
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ペリーロードの食べ歩きグルメ 下田焼きが買える「あほや」
ペリーロード名物の下田焼きが食べたい方は、「粉もん茶屋 あほや」がおすすめ。下田焼きは、イカと赤エビを生地とともに焼いて食べるフードである。中にソースも入っており、もっちりとした食感で腹持ちもいい。フードメニューには、たこ焼きもある。 また、夏の時期になると期間限定でかき氷も販売している。5〜9月頃に食べることが可能。「粉もん茶屋 あほや」の建物は、築140年の歴史を持つ。古民家を屋台にしているため、どこか懐かしい雰囲気を醸し出している点が特徴。食べ歩きのスポットのひとつとして、押さえておくといいだろう。
DATA
住所:下田市三丁目17-56
TEL:0558-22-7320
営業時間:平日11:00〜夕方、土日祝10:00〜夕方
定休日:不定休または土日祝のみ営業
駐車場:記載なし
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日米和親条約下田追加条約締結の場「了仙寺(りょうせんじ)」
下田条約締結の地「了仙寺」は、1635(寛永12)年、下田奉公・今村正長(いまむらまさなが)によって創建された日蓮宗のお寺で、国指定史跡になっている。 1854 (嘉年7)年、日米和親条約が締結され、下田が開港。そして「了仙寺」はペリーと日本全権の交渉場所となり、日米和親条約下田追加条約が締結された。毎年5月中旬に開催される「黒船祭」では、日米和親条約下田条約調印式の再現が境内で行われる。「了仙寺」は“ジャスミン寺” ともいわれ、毎年5月になると約1,000株の「ニオイバンマツリ(アメリカジャスミン)」が境内を染め、あたり一帯が香りにつつまれる。 筆者には地元の劇団に所属している先輩がいて、「黒船祭」では幕末の武士の格好をして再現に参加している(個人的にも身近な人の演技を見ることができるため非常におもしろい)。
了仙寺所有の貴重な資料を展示する「MoBS黒船ミュージアム(モッブス くろふねミュージアム)」
「了仙寺」が所有する膨大な黒船と開国のコレクションを展示。ミュージアムのテーマは「日本人が見た外国、外国人が見た日本」。黒船にまつわる歴史書やペリーが書いた公文書など、開国の歴史をひも解く資料を見ることができる。ミュージアムショップも併設されており、ここでしか買えないオリジナルグッズなどが販売されている。
日米和親条約にゆかりの寺「長楽寺(ちょうらくじ)」
1854(安政元)年、ロシア使節海軍中将プチャーチンとの交渉の末、ここ長楽寺で日露和親条約が調印され、翌年、日米和親条約の批准書交換が行われた。境内にはお吉観音を祀る宝物館や悲恋のおすみ弁天などがあり、拝観することができる。
DATA
長楽寺(ちょうらくじ)
住所:静岡県下田市3-13-19
TEL:0558-22-0731
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ペリーの上陸地点に建つ「ペリー艦隊来航記念碑(ペリーかんたいらいこうきねんひ)」
ペリー艦隊来航記念碑は、1854(安政元)年、日米和親条約(下田条約)の締結に向けペリーが上陸した場所に建てられている。下田湾をバックに建てられた記念碑のS前には、日米友好の灯やアメリカ海軍から寄贈された錨(いかり)が設置されている。ペリー提督一行は、ここからペリーロードを通り、条約締結の場となった「了仙寺」へと向かったとされる。
DATA
ペリー艦隊来航記念碑(ペリーかんたいらいこうきねんひ)
住所:静岡県下田市3丁目
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夜のペリーロードはガス灯が点る幻想的な雰囲気に
夜のペリーロードではガス灯が、幻想的な雰囲気を醸し出す。ガス灯は、オレンジ色をした温かみのある明かりを放つ。蛍光灯のような強い刺激の光ではなく、辺りをうっすらと明るく照らすのが特徴。夜になると、昼間とはまた異なる景色となる。ガス灯の付近には、石畳(いしだたみ)や石欄干(いしらんかん)が並んでいる。石畳は石を畳のように規則的な形で敷いた道、石欄干は石でできた橋や縁側の柵を指す。これらが作り出す街並みにより、日本ならではの独特な文化を堪能できる。
「ロロ黒船」のお菓子はペリーロード観光のお土産にぴったり
ペリーロードでお土産を買うのであれば、「ロロ黒船」がおすすめ。こちらの店舗では、ペリー・黒船・開国にちなんだお菓子が揃えられている。例えば、「開国キャラメル」は下田ブランドに認定された商品だ。 「TR!P SHIMODA(トリップ シモダ)」から下田の特色ある地場産品として、認証を受けている。なお、TR!P SHIMODAは下田市のブランド品を認証し、全国に紹介するプロジェクトのこと。最中にキャラメルとクルミが入っており、甘くてモッチリとした食感を楽しめる。最中は、黒船の形になっている。商品の値段は250円である。
「ロロ黒船」は、下田の食材を使ってお菓子づくりに励んでいる点が特徴。他にも、数多くの商品が販売されている。クリスマスやハロウィンなど、イベントに合わせた期間限定の商品を提供することも。他のお菓子が気になる方は、以下の記事も参考にしてほしい。
開国の歴史を学べる「下田開国博物館」「黒船トロンプ・ルイユ美術館」にもぜひ立ち寄りたい
ペリーロードを訪問したら、開国の歴史を学べる「下田開国博物館」や「黒船トロンプ・ルイユ美術館」も立ち寄りたいスポットである。「下田開国博物館」は、1985年11月3日に設立された。開国に関する約2,000点の資料を、1000点ずつ入れ替えながら展示している。2023年1月にリニューアルオープンされたばかりで、体験型展示も拡充されている。
年中無休で営業しており、9時〜17時の間で利用できる。ただし、入館が可能な時刻は16時30分まで。料金は大人1,200円で、小・中学生が700円。10人以上で利用すると、大人100円引き、小・中学生50円引きとなり、事前に予約すれば無料の館内ガイドのサービスをつけることができる。
「黒船トロンプ・ルイユ美術館」は、2023年1月にオープンしたばかりの美術館。トロンプ・ルイユとはトリックアートの語源であり、目の錯覚を使って不思議な空間をつくり出す。歴史に苦手意識を感じている方も楽しめる施設となっている。日本初のARトリックアート館であり、アプリを用いると絵が動き出す仕掛けを楽しむことができる。
営業時間は9時〜17時。しかし、最終入館時間は16時30分までである。料金は高校生以上が990円で小中学生が770円。4歳以上の未就学児が550円に設定されている。
自然あふれる「下田公園」をゆったり散策しよう
ペリーロードの近くには、自然あふれる下田公園がある。春夏秋冬でさまざまな景色が広がり、のびのびと散策を楽しむことができる。春はツツジ、初夏(5〜6月)にはアジサイが咲き、冬の時期には、ツバキが満開になる。
下田公園の見どころのひとつとして、開国記念碑が挙げられる。記念碑にある文字は、かつての内閣総理大臣であった吉田茂氏によって刻まれた。GHQのマッカーサーやシーボルトとともに文字を刻み、日米で協力して手がけたものである。
下田公園の丘を登ると、展望台にたどり着く。展望台からは、下田湾の海を眺めることができる。下田公園には、無料の駐車場も設けられている。電車で行く場合は、伊豆急下田駅から徒歩で20分かかる。
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江戸時代、「出船入船3,000隻」と言われ、船の風待ちや寄港地として栄えた下田。「ペリーロード」は、幕末期、黒船に乗って来航したペリー提督一行が、上陸した下田(「ペリー艦隊来航記念碑」がある辺り)から日米和親条約付録下田条約締結のために、300人の部下を引き連れて、条約締結の交渉の場「了仙寺」まで歩いた道。