【妻良海上アスレチック&谷川浜海水浴場】かつての風待ち港
2022/08/14(2024/07/12)
南伊豆南伊豆町
南伊豆に位置する妻良(めら)海岸。妻良の港は静かで大きく、かつて帆船時代には風待ち港として栄えた。
現在は伊勢海老などを捕獲できる漁場でもあり、釣りのスポットとしても人気。夏には海上アスレチックが設置され、子どもから大人まで気軽に海水浴を楽しめる。
また第2のヒリゾ浜とも称される谷川浜(やがわはま)へも、ここから船で5分で行くことができる海岸である。
妻良海上アスレチックがリニューアル
「妻良(めら)海上アスレチック」は、例年7月中旬~8月下旬に妻良海岸の港に設置される海上施設。妻良海岸は下田駅からバスと徒歩あわせて50分ほどで行くことができ、砂浜ではなく岩場の海岸になっている。
この港には歴史上の人物が立ち寄った記録も多く、1855(安政2)年には勝海舟が長崎に向かう途中、風待ちのために1週間滞在したと言われている。
アクセスはあまりよくないが、妻良海上アスレチックは子どもから大人まで楽しめると評判で大いに行く価値あり。遊び足りず2日連続で訪れる人もいるほど。
湾内は風が弱く、波も穏やか。そのおかげで他の海水浴場が遊泳禁止になっても遊べることが多いのも利点だ。
監視員も常駐しており、安心して遊ぶことができる。すぐそばには駐車場や無料の水シャワーや更衣室があり、必要な設備も揃っているため、家族連れに人気なスポットとなっている。
妻良海上アスレチックは残念ながら2021年から休止していたが、2024年、4年ぶりにリニューアルオープンすることが決定した。滑り台、飛び込み台、足漕ぎボートなど11種類のアトラクションが設置予定。待ちに待った復活に加え、リニューアルされるアトラクションも楽しみだ。なお以前は無料だったが、2024年から大人2,000円、小人1,000円の料金がかかるとのこと。今まで無料だったことの方が驚きで、有料になるにせよ、他のウォーターパークの1時間と変わらない価格帯である。
海上アスレチックを楽しむときの注意点だが、水深は3メートル以上と浅くはないため、小さい子どもはライフジャケットを着用した方が良いだろう。駐車場入口ではライフジャケットをレンタルできるようになっているが、数に限りがあるため心配な方は持参した方が安心。また岩場のため、怪我への対策としてマリンシューズは必須で、ゴーグルや長袖のラッシュガードもあるとなお良し。
そして妻良海岸は基本日陰がほとんどないため、休憩する場所としてビーチテントも持参していこう。さらに周りにコンビニがないため、事前に食料や飲み物の準備も必要だ。
筆者も海上アスレチックを体験したことがあるのだが、大の大人が海に飛び込み、我を忘れて遊ぶ時間は、まさに非日常の経験で、思い切り童心に返ることができた。
大人でも本当に楽しいと感じることのできる遊び場なのだ。
筆者が楽しみ過ぎて無意識的に正当化していただけかもしれないが……。
海上アスレチックではしゃぐ大人は筆者だけではないはず。
周りにいた家族連れの大人も、子どもたち以上に楽しんでいるように見えた。
海上アスレチックが設置される前の海岸の様子
@amatou_daijin
海は透明度が高く、妻良海上アスレチックの周辺は魚が豊富なため、気軽にシュノーケリングもできる。アスレチックの下にも魚が泳いでいたり、遊具のない場所に行くともっと魚を見つけることができる。磯以外はほとんど足がつかない深さがあり、ぷかぷかと浮きながら海中を覗いてみるのも楽しい。
船でしかたどり着けない秘境のビーチ「谷川浜」
妻良には、渡し船でしか行くことができない「谷川浜(やがわはま)」という海水浴場がある。7月中旬~8月下旬までの期間限定で渡船が運航している。実は谷川浜は陸地と繋がっているのだが、歩いて行くことが難しい地形なのだ。
かつて、妻良湾に入ってくる魚を一度に捕獲するために、この場所には見張り台が設けられ船を待機させていたとのことで、現在も建物があった場所に石垣が残っている。
長年手付かずのままだった谷川浜は、2010年に海水浴場として再び利用できるようになった。
谷川浜は、電気や水道、トイレ、更衣室がなく、日常的に人が立ち入ることができないため、そのままの大自然が広がる知る人ぞ知るプライベートビーチとなっている。海の透明度は抜群で、黄色や青の熱帯魚など魚の種類がとても豊富。妻良海上アスレチックの周辺よりも本格的にシュノーケリングや海水浴ができる。ぜひセットで行ってほしいところ。
@izuhantounomiryoku
天候によっては渡船が運行しないこともあるため、最新情報は南伊豆観光協会などで確認しよう。
谷川浜には電気や水道がなく、海の家や売店もない。以前はトイレもなかったのだが、現在は仮設トイレが設置されているのでその点は安心。シャワーは妻良港に戻れば無料で使える。設備がない分、そのままの美しい自然にふれることができるのだ。
船でしかたどり着けない秘境のビーチということで、第2のヒリゾ浜とも一部では呼ばれている。ヒリゾ浜は特に有名で、例年乗船場は長蛇の列になるのだが、ここはヒリゾ浜ほど知られておらず、比較的行きやすいのがポイント。ただここも人数制限が設けられているため、混雑時は順番待ちになることも。
壮観な景色「龍崎の蛇くだり」
妻良の港から湾の出口方面を見ると、高い崖に露出したしましまの地層を縦に断ち切る斜めのラインが見える。
このラインは、巨大な蛇が崖を横切る様子から「蛇くだり(じゃくだり)」と呼ばれている。蛇くだりは、マグマが上昇してきた痕跡だそう。ここでしか見れない絶景の「蛇くだり」は、数々のメディアでも紹介された有名なジオポイントだ。
海に面した蛇くだりに近づくことは難しいが、谷川浜からの船の道中やカヤックなどで近づいて観察するほか、妻良港付近からも遠望できる。
@izuhantounomiryoku
船の道中からであれば、この崖に形成された海蝕洞(かいしょくどう)の中にも入ってもらうことができ、洞窟探検気分を味わえたりもする。個人的にはカヤック体験をしたいため、ぜひカヤックで訪れ、体験記を書いてみたい。
妻良は良好な釣りスポットでもある
妻良湾は、湾内にある大きな2基の沖堤が波を遮り、三方を山で囲まれているため、外海が荒れていても比較的静かに釣りが楽しめる。
シーズンは初夏~秋になるが、一年を通して釣り物は多彩で、シロギス・アオリイカ・クロダイ・アジ・カワハギなど多くの魚種を狙える良好な釣りスポットにもなっている。
無形民俗文化財指定の「妻良の盆踊り」
毎年8月15日の夜、漁港横の浜辺において「妻良の盆踊り」が開催される。
浜の中心に櫓を組み、そこから張り渡した綱に大漁旗を吊るして華やかに飾り立て、太鼓やはやし手、踊り子は花笠をかぶり輪になって踊る。
この踊りは、踊り手が合掌するような動作や、念仏調の歌を歌うことから、室町時代の文化の流れを受け継いでいるとも言われている。
1971(昭和46)年に静岡県の無形民俗文化財に指定され、現在では「妻良芸能保存会」の人々によって大切に保存されている。
盆踊りの終了後には、花火が打ち上げられる。
筆者の家族は、いつも筆者を置いてこの祭りに出かけて行くのだが、次は絶対について行こうと思う!
※残念ながら「妻良の盆踊り」は2020年から中止になっており、2024年も中止との情報もあり。再開を待ちわびている。
妻良海上アスレチックの基本情報
妻良海上(めらかいじょうあすれちっく)
住所:静岡県賀茂郡南伊豆町妻良
開設期間:2024年7月6日(土)~8月31日(土)
営業時間:8:30~17:00
料金:大人2,000円、小学生1,000円 ※小学生未満は無料
トイレ:あり
水シャワー:あり(無料)
更衣室:あり(無料)
注意事項:天候・海上の状況により閉鎖する場合があり 25メートル泳げない子どもは、保護者要同伴
駐車場:あり。妻良区駐車場(妻良漁港親水施設前) 1日1台1,000円(夏期有料1,500円)
アクセス:車の場合 東名沼津ICより、国道414号線経由で国道136号線を南下し、妻良新港駐車場へ。約 2時間30分
バスの場合 伊豆急下田駅より東海バス「子浦/伊浜/堂ヶ島」方面行きバス乗車(乗車時間約45 分)、「妻良」 バス停下車、徒歩約7分
TEL:0558-67-0614(妻良区事務所 9時~12時)
南伊豆観光協会URL:https://www.minami-izu.jp/?p=we-page-entry&spot=3622
谷川浜(やがわはま)/ 渡船 市丸
運行期間:2024年海開き~8月31日(土)
運行時間:8:30~15:00(随時運行)
料金:中学生以上2,000円、小学生1,000円 ※小学生未満 無料
TEL:0558-67-0813
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南伊豆に位置する妻良(めら)海岸。妻良の港は静かで大きく、かつて帆船時代には風待ち港として栄えた。現在は伊勢海老などを捕獲できる漁場でもあり、釣りのスポットとしても人気。夏には海上アスレチックが設置され、子どもから大人まで気軽に海水浴を楽しめる。また第2のヒリゾ浜とも称される谷川浜(やがわはま)へも、ここから船で5分で行くことができる海岸である。