【妻良海岸】かつての風待ち港
2022/08/14
Tomoya Tsuchiya南伊豆南伊豆町
静かで大きな妻良(めら)港は、かつて帆船時代には風待ち港として栄えた。
歴史上の人物が立ち寄った記録も多く、1855(安政2)年には勝海舟が長崎に向かう途中、風待ちのために1週間滞在したと言われている。
定置網漁、伊勢海老網漁の漁場でもあり、釣りのスポットとしても人気。
夏には海上アスレチックが設置され、子どもから大人まで気軽に海水浴を楽しむことができる。
海上アスレチック
妻良海岸では、例年7月中旬~8月下旬、滑り台や海上吊橋など、海上にさまざまな遊具が設置され、子どもから大人までアスレチックを楽しむことができる。
湾内は風が弱く、波も穏やかで安心して遊ぶことができ、すぐそばには駐車場や水シャワー、更衣室があるため、家族連れに人気なスポットとなっている。
海上アスレチックを楽しむときの注意点だが、水深は浅くはないため、小さい子どもはライフジャケットを着用した方が良いだろう。
また、岩場のため、マリンシューズは必須で、ゴーグルもつけたほうが安心だ。
筆者も海上アスレチックを体験したことがあるのだが、大の大人が海に飛び込み、我を忘れて遊ぶ時間は、まさに非日常の経験で、思い切り童心に返ることができた。
大人でも本当に楽しいと感じることのできる遊び場なのだ。
筆者が楽しみ過ぎて無意識的に正当化していただけかもしれないが……。
海上アスレチックではしゃぐ大人は筆者だけではないはず。
周りにいた家族連れの大人も、子どもたち以上に楽しんでいるように見えた。
しかし、残念ながら2023年は開設中止。
今年、海上アスレチックが設置されていた辺りはこのような感じ(磯遊びは十分に楽しめる!)。

プライベートビーチ感のある谷川浜(やがわはま)
妻良には、渡船でしか行くことができない谷川浜(やがわはま)という海水浴場がある。
かつて、妻良湾に入ってくる魚を一度に捕獲するために、この場所には見張り台が設けられ船を待機させていたとのことで、現在も建物があった場所に石垣が残っている。
長年手付かずのままだった谷川浜は、2010年に海水浴場として再び利用できるようになった。
谷川浜は、電気や水道、トイレ、更衣室がなく、日常的に人が立ち入ることができないため、そのままの自然が広がる知る人ぞ知るプライベートビーチとなっている。
無形民俗文化財指定の妻良の盆踊り
毎年8月15日の夜、漁港横の浜辺において「妻良の盆踊り」が開催される。
浜の中心に櫓を組み、そこから張り渡した綱に大漁旗を吊るして華やかに飾り立て、太鼓やはやし手、踊り子は花笠をかぶり輪になって踊る。
この踊りは、踊り手が合掌するような動作や、念仏調の歌を歌うことから、室町時代の文化の流れを受け継いでいるとも言われている。
1971(昭和46)年に静岡県の無形民俗文化財に指定され、現在では「妻良芸能保存会」の人々によって大切に保存されている。
盆踊りの終了後には、花火が打ち上げられる。
筆者の家族は、いつも筆者を置いてこの祭りに出かけて行くのだが、次は絶対について行こうと思う!
龍崎の蛇くだり
妻良の港から湾の出口方面を見ると、高い崖に露出したしましまの地層を縦に断ち切る斜めのラインが見える。
このラインは、巨大な蛇が崖を横切る様子から「蛇くだり」と呼ばれている。蛇くだりは、マグマが上昇してきた痕跡だそう。
海に面した蛇くだりに近づくことは難しいが、カヤックや船で近づいて観察するほか、妻良港付近からも遠望できる。
個人的にはカヤック体験をしたいため、ぜひカヤックで訪れ、体験記を書いてみたい。
妻良は良好な釣りスポットでもある
妻良湾は、湾内にある大きな2基の沖堤が波を遮り、三方を山で囲まれているため、外海が荒れていても比較的静かに釣りが楽しめる。
シーズンは初夏~秋になるが、一年を通して釣り物は多彩で、シロギス・アオリイカ・クロダイ・アジ・カワハギなど多くの魚種を狙える良好スポットになっている。
妻良海岸の基本情報
住所:静岡県賀茂郡南伊豆町妻良
駐車場:あり(夏期有料1,000円)
開設時間:9:00~16:00
トイレ:あり
TEL:0558-67-0852(妻良観光協会)
URL: https://www.minami-izu.jp/?p=we-page-entry&spot=3622
アクセス:伊豆急下田駅より東海バス「子浦/伊浜/堂ヶ島」方面行きバス乗車(乗車時間約45分)、「妻良」バス停下車、徒歩約5分
この記事を書いた人
南伊豆町在住。2021年に「Izu Letters」編集部に入部。
最近ハマっていることは、フットサルと筋トレと節酒(断酒を試みるも、だいたいその目論見は一週間も経たず失敗に終わる)。
好きな作家は中村文則。得意料理は味噌汁。
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静かで大きな妻良(めら)港は、かつて帆船時代には風待ち港として栄えた。歴史上の人物が立ち寄った記録も多く、1855(安政2)年には勝海舟が長崎に向かう途中、風待ちのために1週間滞在したと言われている。定置網漁、伊勢海老網漁の漁場でもあり、釣りのスポットとしても人気。夏には海上アスレチックが設置され、子どもから大人まで気軽に海水浴を楽しむことができる。