【小室山リッジウォークMISORA】海と空が広がるフォトジェニックな小室山
2022/02/01(2024/05/21)
Akari Enomoto伊東市東伊豆
伊東市にある小室山(こむろやま)は、約1万5000年前の火山の噴火によってできたスコリア丘(きゅう)だ。溶岩のしぶきをスコリアといい、それが降り積もってできた山はスコリア丘と呼ばれている。2021年4月23日に山頂をぐるりとまわる木製の遊歩道が全面整備され、「小室山リッジウォーク“MISORA”(こむろやまリッジウォークみそら)」とカフェがオープンした。これまでの山頂とはがらりと雰囲気が変わり、以前の小室山に行ったことがある人は驚くかもしれない。山頂からの絶景はそのままに、よりゆったりと過ごせる空間となった。
レトロなリフトで空中散歩を楽しんで
標高321mの小室山の山頂までは、リフトで約5分。今では珍しいレトロなシングルリフトだ。北には富士山、東には相模湾があり、リフトから雄大な景色を見ながら空中散歩を楽しむことができる。また毎年4月頃から、麓にある「小室山公園」で10万本のつつじが見頃を迎える。この時期にはリフトからつつじの赤い絨毯を一望するのも、小室山観光リフトの楽しみのひとつになっている。
「小室山観光リフト」は麓にある「Kitchen・218」から乗ることができ、往復料金は大人800円、小人100円、片道だと大人500円、小人100円。1人乗りのリフトだが、未就学児は抱っこして一緒に乗ることができるので、小さいお子さまがいても安心。運行時間は9:30~16:00となっているので、下山の時刻には注意しよう。
▶小室山リフトの情報はこちら
ぐるりとまわる遊歩道で開放感を味わって
山頂へは一人乗りのリフトか徒歩で登ることができる。ゆったりとした速度のリフトで、乗降時に係員の補助も受けられるので、誰でも安心して乗ることができる。景色を楽しみながら山頂へ向かおう。
木製の遊歩道は全長約166m。山頂の自然な起伏を活かしてつくられており、山頂をぐるりとまわることができる。相模灘や伊東市街をはじめ、天気の良い日には富士山を望め、360度のパノラマビューが楽しめる。
「小室山リッジウォーク“MISORA”」の名前の由来は「海」と「空」が広がる紺碧の世界。名前の通り、海と空に吸い込まれそうな景色が広がっており、開放的な爽快感を味わえるのでついつい深呼吸してしまうだろう。
優しい色合いの店内とこだわりのドリンクに癒されて
山頂にオープンした「Café・321(カフェさんにいいち)」の店名は、小室山の標高321mから名づけられており、真ん中の・は地図記号の標高点を表している。山頂の稜線に埋まるように建てられているのだ。
地層をイメージした優しい色合いをした店内は、全席オーシャン&スカイビュー。静岡県内初導入のマシンで抽出するオリジナルブレンドコーヒーや「小室山リッジウォーク“MISORA”」の世界感を表現したオリジナルドリンク、伊豆のクラフトビールなどが味わえる。
筆者のおすすめは海と空をイメージして作られたオリジナルドリンク「“MISORA”ヨーグルトフラッペ(ブルー)」。すっきりとしたヨーグルトの酸味とシャーベットの甘み、フラッペのシャリシャリとした食感が癖になる一品。爽やかな見た目とは裏腹に、意外とお腹にたまるので小腹をすかせておくといいかも……。
店内奥にはカフェ利用者専用のウッドデッキと展望ブリッジがある。
展望ブリッジは空中に突き出すように設置されており、手すりがすべてガラス材のため景観に溶け込んでいるようだ。フォトスポットとしてもかなり人気が高く、みんな思い思いのポーズをとって撮影している。
また、2024年5月発表の旅行専門雑誌「じゃらん」が実施した「全国にある癒やしの景色が眺められるカフェスポット」についてのアンケートにて、Café・321が「全国4位」に選ばれました。
▶じゃらんニュース「【全国】爽快感あふれる絶景カフェランキング!新緑からオーシャンビューまで」
愛犬とも楽しめるのがうれしい
小室山は愛犬と一緒に楽しめるのもうれしいポイント。山頂までのリフトをはじめ、カフェやレストラン、遊歩道も愛犬同伴可能。広大な景観と愛犬を写真に納めれば、インスタ映え間違いなし。リフトは5kg未満の小型犬のみに限られているので、大きいわんちゃんとは歩いて山頂を目指そう。また、リードを付けるなど、周りの人に配慮したマナーは徹底していただきたい。
「Café・321」では、デッキスペースにて愛犬と一緒にくつろぐことができる。入店の際にはあらかじめ抱っこしておき、カフェ利用者専用出口の先にあるデッキスペースまでは離さないよう注意が必要だ。デッキスペースの利用にはドリンクの注文が必要なので、コーヒーやオリジナルドリンクを楽しみながら愛犬とのひとときを過ごそう。
歴史あるパワースポットで厳かな気持ちに
小室山の山頂にある「小室神社」は外せないスポットだ。元禄十六年(1703年)に起こった大震災により大きな被害を被った小田原領の西方鎮守として、藩主大久保隠岐守忠増(十一万三千石)が創建したといわれている。災害守護神である愛宕大権現と海難守護神の金刀比羅大神、火の神である火産霊大神が合わせて祀られ、災害の復興を見守る神として今なお信仰されている歴史のあるパワースポットだ。
交通安全、家内安全、商売繁盛、学業成就、出世成就にご利益があり、元日には元日祭がおこなわれる。元日祭は、小室山から日の出を拝んで参拝に訪れる人も多い。小室神社には小室山に咲き誇る花にちなんでつつじの絵馬があるのも特徴の一つ。素敵な絵馬で願掛けすればご利益がありそうだ。
▶小室神社の情報はこちら
森林浴を楽しみながらゆったり移動するのもあり
小室山には森林浴を楽しみながらゆったり散策することができるウォーキングコースも用意されている。「森林浴と癒し満喫コース」は麓の「Kitchen・218」から約3kmの舗装された小道が山頂まで続く。日頃の運動不足解消にもピッタリのコースだ。
童話の世界に迷い込んだような気分が味わえる「読書の森」を抜けると、相模湾が一望でき、開放的な気分でウォーキングを楽しむことができる。澄んだ空気の中で運動することで清々しさを感じることができるだろう。
動き出しそうな恐竜たちにびっくり
今にも動き出しそうな恐竜たちが潜んでいる恐竜広場もある。ティラノサウルスとトリケラトプスが戦っているところや、ゆったり歩くブラキオサウルスなどさまざま恐竜に出会える。お腹に穴が開いていて中に入ることができるディメトロドンでは「食べられちゃった~」とはしゃぐ子どもたちの声が聞こえてくる。アスレチックや滑り台など大型の遊具もある公園なので、お子さま連れにはぜひ立ち寄っていただきたいスポットだ。
筆者のおすすめはリフトで山頂に行き、恐竜広場に寄りながら徒歩で下山することだ。恐竜広場は小室山の中腹にあるため、リフトに乗るには来た道を戻らなくてはならない。ベビーカーは利用できないが、険しい道ではないので、遊んだあとそのまま歩いて下山するのがおすすめだ。ジュラシックコースでしか出会えない恐竜もいるので楽しみながら歩くことができる。
季節の花に癒される小室山公園
麓の「小室山公園」には10万本のつつじが栽培されている。毎年4月頃から見頃を迎え、真っ赤なつつじが絨毯(じゅうたん)のようだ。つつじ祭りも開催され、毎年全国より多くの方が訪れる。園内には背丈ほどのつつじのトンネルがあり、包み込まれているような気分が味わえる。
そして、写真映えするスポットとしてSNSでも人気があるので、つつじの甘い香りに癒されながら撮影を楽しんでみては。
また、園内にはつばき園もあり、4,000本の色とりどりのつばきを楽しむことができる。2月中旬から開催される「つばき観賞会」では、つばきの館にて一輪挿しや雛飾りの展示など趣向を凝らした作品が飾られる。なかなか独創的でおもしろいので、こちらもおすすめだ。
早春には小室山で発見された早咲きの桜が見頃に
2月中旬にピークを迎える「伊東小室桜」も小室山の見どころのひとつ。
伊東市吉田の萩原農園を経営し、伊東小室桜を育てる会の会長である萩原さんが伊東小室桜を発見したのは1988年のこと。萩原さんが小室山を散歩中、早咲きの桜を偶然見つけ、発見場所にちなんで伊東小室桜と名付けたという。
市内で900本ほど植栽されており、小室山の観光リフト横の斜面には40本ほど植えられている。2月中旬に訪れた際には是非リフトに乗ってみていただきたい。例年3月初旬には葉桜になってしまうため、伊東小室桜を目当てに小室山に行く際には注意しよう。
「火山と大地」を感じられるレストラン「Kitchen・218」
2023年7月20日、小室山の山麓に「Kitchen・218」がオープンした。
このレストランは、さきほど紹介した山頂に佇む「Café・321」とリンクしており、小室山の成り立ちである「火山と大地」がコンセプトである。
火山をイメージしたレンガや塗り壁などで装飾され、落ち着いた空間が訪れる者を迎え入れる。
注目すべきは、本格グリルキッチンで丁寧に調理される、ふっくらとジューシーな溶岩焼きメニュー。
もちろん、それだけに留まらず、地元伊豆特有の魅力を凝縮した海鮮丼、わさび丼など、山と海の幸を豊富に使用した特製メニューがきっとあなたを満足させるだろう。
設備も非常に充実しており、多機能トイレ、キッズエリア、ベビーケアルームなど、家族全員で訪れても大満足すること間違いなし。
ペット同伴エリアも設置されていて、屋外のテラス席、ドックランで愛犬と共に楽しい時間を過ごすことができるのも魅力の一つだ。
そして、「Kitchen・218」に併設されている「SOUVENIR SHOP」で、伊豆で人気のお土産を選ぶのもまた楽しい時間だ。
万大醸造と協同開発したニューサマーオレンジのリキュール「うめえら!」や、彩り美しい爽やかなレモン風味の野菜ピクルス「彩・ラウンドピクルス」などがおすすめである。
名物のソフトクリームも忘れずにチェックしよう。伊豆名産のニューサマーオレンジを使用した「ニューサマーオレンジソフトクリーム」が特におすすめ。
爽やかな味わいで、伊豆散策で疲れた体を癒してくれる。
「Kitchen・218」は、地元の食材を活かした料理と共に、伊豆の豊かな自然を感じることができる、まさに休息と舌鼓を兼ね備えた至福の空間である。
小室山の基本情報
小室山リフト(こむろやまリフト)
住所:静岡県伊東市川奈小室山1428
駐車所:あり
運行時間:9:30~16:00 年中無休(ただし、点検・荒天時は運休)
料金:【往復】大人:800円 小人:100円
【片道】大人:500円 小人:100円
アクセス:伊東駅より東海バス「小室山リフト」行に乗車(乗車時間23分)、終点「小室山リフト」バス停下車すぐ
TEL:0557-45-1444
URL:https://www.tokaibus.jp/business/lift.html
Café・321(カフェさんにいいち)
営業時間:10:00~16:00(L.O.15:30)
定休日:不定休
URL:https://www.tokaibus.jp/business/cafe_321.html
Kitchen・218(キッチンにいいちはち)
営業時間:11:00~15:30(L.O.15:00)
※併設する売店の営業時間は9:30~16:00
定休日:不定休
URL:https://www.tokaibus.jp/business/kitchen_218.html
小室山公園(こむろやまこうえん)
住所:静岡県伊東市川奈1260
駐車場: 第1駐車場79台 第2駐車場28台 第3駐車場18台 大型駐車場156台
TEL:0557-45-1594
URL:http://itokousya.sun.bindcloud.jp/cn5/komuroyama.html
この記事を書いた人
河津町在住。「Izu Letters」編集担当。大の猫好き。趣味は伊豆のオシャレなカフェめぐりと言いたいところだが、休日はだいたいお昼まで寝ている。最近、早起きをして行ったカフェは、伊豆高原にある「ねこカフェ にゃおん」。
伊豆 観光,伊豆 観光,伊豆観光,伊豆 旅行,伊豆 旅行,伊豆旅行,伊豆,伊豆半島,IzuLetters,イズレターズ,静岡観光,静岡,観光情報,旅,旅行,国内旅行,週末旅,週末旅行,家族旅行,撮影旅行,癒しの旅 女子旅,大人女子旅,自然,フォトジェニック,景色,風景,温泉,小室山,小室山リッジウォーク“MISORA”,小室山リッジウォーク,MISORA,Café・321,カフェさんにいいち,カフェ321,カフェ,絶景カフェ,伊東,伊東市,伊東温泉,絶景,デート,デートスポット
伊東市にある小室山(こむろやま)は、約1万5000年前の火山の噴火によってできたスコリア丘(きゅう)だ。溶岩のしぶきをスコリアといい、それが降り積もってできた山はスコリア丘と呼ばれている。2021年4月23日に山頂をぐるりとまわる木製の遊歩道が全面整備され、「小室山リッジウォーク“MISORA”(こむろやまリッジウォークみそら)」とカフェがオープンした。これまでの山頂とはがらりと雰囲気が変わり、以前の小室山に行ったことがある人は驚くかもしれない。山頂からの絶景はそのままに、よりゆったりと過ごせる空間となった。