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【沼津】伊豆屈指のアジサイ寺 江の浦湾が一望できる照江寺

2023/05/29
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Mayumi Miyagawa北伊豆沼津市神社仏閣
【沼津】伊豆屈指のアジサイ寺 江の浦湾が一望できる照江寺

江浦湾を見下ろす高台にある大日山照江寺。

橋本住職が手がける300基の石彫りの石碑と数百株の色とりどりのアジサイ。

絶景と癒しの時間が味わえる、伊豆屈指のアジサイ寺をご紹介します。

照江寺とは

照江寺とは

1597年に創建された臨済宗妙心寺派の「大日山照江寺」は、国道414号線沿い、江浦湾を見下ろす高台に位置しています。

本堂には聖観世音菩薩、そして高台にあるのは、大日堂には伊豆市にある「修禅寺」から伝わったとされる大日如来。

その大日如来は10年に1度のご開帳の時にだけ見ることができます。

 

大日如来

 

癒しの大楠の木と住職が手がける石碑

癒しの大楠の木と住職が手がける石碑

少し急な長い階段を登っていった先にあるお寺。

 

照江寺 大楠

階段の途中には大楠の木。

木の横にはこのような説明書きが添えられていました。

「人間にいい気のエネルギーを与えてくれるといわれております。両手で楠を抱え、頭をつけて楠と一体になるイメージでゆっくりと呼吸をして、楠のパワーをいただいてください」

少しだけ目を閉じて、癒しのパワーいただこうと深呼吸。

日頃の忙しい気持ちが。リフレッシュしたように感じます。

 

歩みを進めるとお寺の至るところに、石碑があることに気づきます。

 

照江寺 石碑

約300基あるという石碑は、沼津ではおなじみの白隠禅師をはじめとする禅僧の書画が描かれています。これらは橋本宗一住職が全て一人で手がけたもの。

橋本宗一住職

橋本宗一住職

現在80歳の住職が、還暦を機に始めたという石彫り。

最初は木彫りをしていたそうですが、「この先何百年も残していくためには石がいい」と考え、石彫りに切り替えたのだと教えてくれました。

機械は使わず、昔ながらのノミとハンマーでコツコツ、時間を忘れて没頭する石彫り。 今ではお知り合いから、石をプレゼントされることも多くなってきたのだとか。

味わい深い石碑を眺めながら、境内を歩んでいきましょう。

住職が愛情を込めて整備したアジサイ園

住職が愛情を込めて整備したアジサイ園

階段を上りきった境内にはガクアジサイやヤマアジサイなど多種多様なアジサイ数百株が植えられています。

例年5月下旬から咲き始め、6月中旬に見頃を迎えます。

今年2023年は例年より10日ほど早い開花で、見頃のピークは6月10日頃と予想されています。「6月20日頃までは楽しめそう」とご住職。

 

このアジサイも、石碑同様、橋本住職が手がけたもの。

約50年前に植え始めたというアジサイ。その当時、境内には草が鬱蒼としていて、草を刈るのがとても大変だったそう。

(草刈りではなく、花を植えてそれが咲く楽しみを作りたい)と考えた住職は、最初にアジサイを10株ほど植えて、そこから毎年挿し木で増やしていきました。

 

照江寺

1〜2年で華やかに整っていった境内のアジサイ園。

それを見た檀家さんが「こんなのあるよ」「珍しいアジサイがあるよ」と、この寺に咲いていないアジサイを持ってきてくれるようになったといいます。

そして今では把握しきれないほどの種類のアジサイが咲き誇るようになりました。

 

照江寺 あじさい

50年間育ててきたアジサイが多くの人に知られるようになったのは、ここ数年のこと。

橋本住職が手がけた「白隠禅師生誕の地の碑」を取材したマスコミに、照江寺のアジサイを案内したことがきっかけで、テレビや新聞で取り上げられるようになり、多くの人が訪れるようになりました。

 

照江寺 江浦湾

江浦湾が一望できる絶景。

大きく深呼吸して、頭の中を空っぽにできる癒しの時間。

階段を上って少しだけ上がった息が整うころ、心も整っていくように感じました。

 

日本原産のガクアジサイ、道端で見かけることの多い西洋アジサイ、ヤマアジサイ、花がピラミッド型のカシワバアジサイ・・・

ここは伊豆屈指のアジサイ寺。

まるでアジサイのショールームのような、多種多様な花が揃う、照江寺のアジサイ園。 毎年訪れたい場所のひとつです。

 

DATA

照江寺(しょうこうじ)

住所:静岡県沼津市江浦70
TEL: 055-939-0149
アクセス:沼津駅(南口)より東海バス[N21-25]木負・江梨・大瀬岬行き乗車(乗車時間20分)「江の浦西口」バス停より徒歩約1分

 

 

 

この記事を書いた人

Mayumi Miyagawa

静岡県函南町出身。「沼津経済新聞」で地元情報を取材し、地元コミュニティーFMのラジオパーソナリティを務める。興味あるジャンルは、地場産のおいしいものとクラフトビール。伊豆半島の隠れた魅力を発信していきます。

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