【伊豆屋わさび店】わさび農家が直営するわさび専門店
2022/08/17
Akari Enomoto中伊豆伊豆市
伊豆市にある「伊豆屋 わさび店(いずや わさびてん)」は、安藤義夫(あんどう よしお)さんが営む、わさび農家が直営するわさび専門店。
伊豆市の特産品としても有名なわさび。清らかで温度・量・流れの強さが一定であること、日差しを遮るための木々があることなど、栽培条件が自然や立地に左右される。さらに、大雨などの自然災害にあうリスクも高く、栽培が最も難しい植物といわれている。
わさび農家として約70年以上続き、お話を伺った安藤智久(あんどう ともひさ)さんで3代目。
初代にあたる智久さんの祖父は東京で和菓子屋を営んでいたが、終戦をきっかけに伊豆に帰郷し、わさびを栽培する農家の仕事を始めた。その後、鮮度を落とさず提供できること、余すことなく贅沢にわさびを使えることから、本わさびの販売やわさび漬けなどの加工品を扱う直営店を始めた。
「伊豆屋 わさび店」のわさび漬けは甘めの味つけ
「伊豆屋 わさび店」の店舗は作業場も兼ねており、取材した時もちょうど収穫したわさびの洗浄や調整の作業が行われていた。
まずはわさびについた泥を洗い落とし、丁寧にひげ根を剪定しながら、傷がないか確認し、本わさび用と加工品用に選別していく。
作業場で使用されている水ももちろん天城の天然水。
作業は手袋を着用して行われるが、それでもかなりの冷たさだろう。
筆者は小学生のときに課外授業でわさびの収穫体験をしたが、あまりの水の冷たさに長靴に穴が開いているのかと驚いたことを思い出して、身震いしてしまった。
わさび漬けは静岡市にある「田丸屋本店(たまるやほんてん)」から広まったとされている。
配合する酒粕の量で味が決まるため、作り手によって少しずつ味が異なってくるところが、製造している安藤さんにとっても奥深いポイントだという。
「伊豆屋 わさび店」のわさび漬けは、富士宮市にある「牧野酒造」の清酒「富士山」の酒粕を使用しており、酒粕は甘めの味つけ。
小さな子どもでも食べやすく、「うちの子も大好きなんですよ」と話すお客さまもいるそうだ。
直営店だからこそお得に購入可能
わさび漬け以外にも三杯漬やわさび味噌も販売している。また、本わさびは1本500~1,000円と比較的お手頃。直営店だからこそのお値段だ。
古くからの常連客も多いが、最近ではわさび丼のお店や旅館からの紹介で、買いに来る観光客も。
「直営店なので、お客さまや業者の方と直接お話ができることが嬉しいです。
買いに来てくれたお客さまと、どこから買いに来てくださったのか、何で知ってくださったのか、どの商品が好きかなど、話せるのもいいですね。
仲介業者などは頼んでいないので、業務用の取引でもどんな方がどんな思いで私たちのわさびを選んでくださったのか知ることができるのでとてもありがたいです。
もっとこういうわさびがあったらいいなど、情報交換もできるので大切な場面です」と話す。
本わさびのおすすめの食べ方
やはり、本わさびといえばお刺身とお醤油。新鮮なお刺身に、ツンとしたわさびの辛みがアクセントになる定番の食べ方だ。
他にも、クラッカーにわさび漬けを挟んだり、かまぼこと一緒に食べたり、焼肉にすった本わさびをつけて食べたり。
安藤さんのお気に入りの食べ方は、アボカドの種をくり抜いてできた穴にすった本生わさびを塗っていただくというもの。アボガドをわさび醤油につけていただくのもおいしいが、そのまま穴に本わさびを入れるとはなかなか斬新だ。
筆者もぜひとも食べてみようと思う。
次世代に継承していくために智久さんが挑戦したいこと
近年、農業は担い手不足が深刻化しており、地域ごとではなく、国全体として問題となっている。
この問題はわさび農家も例外ではない。わさび農業を守りながら、次世代に栽培方法や加工技術など継承していくことが一番大切なことだという。
智久さんが挑戦していることは、先輩農家から受け継いできた優れた品種の維持。
例えば、わさび漬けは青い茎のほうがおいしそうに見えるため、そういった品種の選抜にも挑戦したいという。
わさびはそれぞれの農家が固有の品種を持っており、「伊豆屋 わさび店」は主に湯ヶ島産の品種を育てているが、現在は、わさび漬け用に向いているものを探るため全部で5品種ほど育てている。
「ほかの農家さんから品種を分けてもらうご縁もあり、その際にわさびの栽培や品種の特徴など、いろいろ教えてもらっています。
湯ヶ島は、農家同士の交流が盛んで、産地の繋がりを感じることができます」と話す。
味も見た目もこだわり抜くことができるのは、わさび農家直営店だからこそ。
今後、どのような改良が進んでいくのか、今後も目が離せない。
伊豆屋わさび店の基本情報
伊豆屋わさび店(いずや わさびてん)
住所:静岡県伊豆市湯ヶ島1690
TEL:0558-85-0256
営業時間:8:00~18:00
休業日:年中無休
駐車場:なし
URL:https://www.izuyawasabi.shop/
アクセス:
修善寺駅より東海バス5番のりば「天城方面」行(河津駅・昭和の森・湯ヶ島温泉)に乗車(乗車時間29分)、「湯ヶ島温泉口」バス停下車、徒歩約8分
河津駅より東海バス3番のりば「修善寺駅」行に乗車(乗車時間63分)、「湯ヶ島温泉口」バス停下車、徒歩約8分
この記事を書いた人
河津町在住。「Izu Letters」編集担当。大の猫好き。趣味は伊豆のオシャレなカフェめぐりと言いたいところだが、休日はだいたいお昼まで寝ている。最近、早起きをして行ったカフェは、伊豆高原にある「ねこカフェ にゃおん」。
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伊豆市にある「伊豆屋 わさび店(いずや わさびてん)」は、安藤義夫(あんどう よしお)さんが営む、わさび農家が直営するわさび専門店。伊豆市の特産品としても有名なわさび。わさび農家として約70年以上続き、3代目になる安藤智久(あんどう ともひさ)さんにお話を伺った。