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【中伊豆】泣く子も黙る、しつけにも最適!「あの世」のテーマパーク「伊豆極楽苑」

2023/08/10
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Mayumi Miyagawa中伊豆伊豆市
【中伊豆】泣く子も黙る、しつけにも最適!「あの世」のテーマパーク「伊豆極楽苑」

伊豆・天城にある、「あの世」を観光する施設「伊豆極楽苑」。

仏教書「往生要集」を基に「地獄」と「極楽」を大小約300の人形のジオラマで再現しています。

ほとんどの人が見たことのない「あの世」を学ぶことができる全国的にも珍しい施設。

子どものしつけにも一役買っているという伊豆極楽苑の魅力をお伝えします。

国道沿いに突如現れるピースサインの鬼

国道沿いに突如現れるピースサインの鬼

伊豆・修善寺から土肥を結ぶ国道136号線沿いに突如現れるピースサインをした笑顔の鬼。

伊豆方面に出かけたことがある人は、見かけた記憶があるかもしれません。

現在は赤鬼ですが、これまで黄色、水色、オレンジだったこともあるこの鬼。

館長の青鬼丸さんが気分によって色を変えるのだとか。

 

(一体どんな施設なんだろう?)と気になっているけれど、勇気が出なくて入ったことがまだ無いという人も多いのではないでしょうか。

地獄極楽めぐりとは

地獄極楽めぐりとは

ここは地獄極楽めぐり、あの世が観光できる場所、「伊豆極楽苑」。

入り口には小さな鬼のオブジェ、顔はめパネル、恋みくじ・・・、ちょっとカオスな雰囲気が漂います。

 

これまでに数々のテレビ番組やタレントさんが訪れた、隠れた人気スポット。

985(寛和元)年に僧侶の源信が編纂した、極楽往生に関する重要な文章を集めた仏教書「往生要集」を基に、忠実にジオラマが作られています。

 

伊豆極楽苑は江戸時代・明治・大正・昭和に発刊された往生要集のほとんどを収集しているアカデミックな一面も。

往生要集を読み解くのはとても大変な作業ですが、ここに来れば簡単に、そして楽しく極楽往生について学ぶことができます。

まずは1階で地獄のレクチャー

まずは1階で地獄のレクチャー

1986(昭和61)年にオープンした伊豆極楽苑は、父・青鬼丸さん、母・華扇(かせん)さん、長男・彰洋(しょうよう)さんの家族で経営しています。

戦々恐々としながら施設に入ると、予想とは裏腹に家族3人が優しい笑顔で迎えてくれます。

まず1階で、母親の華扇さん、もしくは息子の彰洋さんが死後の世界のレクチャーをしてくれます。(この日は彰洋さん)

お子さん連れのグループには、子ども向けに分かりやすい説明をしてくれるのも安心です。

 

 

 

階段を登って地獄めぐりスタート

階段を登って地獄めぐりスタート

約5分間、死後49日に起こる出来事の説明を1階で受けた後は、階段を登っていよいよ地獄めぐりへ。

「あの世にお進みください〜」の言葉にいざなわれ、ここからは解説は無く、自分たちのペースで館内を見て回っていきます。

三途の川

三途の川

「三途の川」という言葉とその存在は、恐らくほとんどの人が知っていることでしょう。

「渡るところが三つあるので三途の川という」というクレジット。

 

善い行いをしてきた人は有橋渡(ゆうきょうと)という橋を渡って楽々と向こう岸に、

少しだけ善い行いをしてきた人は山水瀬(さんすいせ)という川の浅いところをジャブジャブと渡り、

悪い行いをたくさんしてきた人は強深淵(こうしんえん)という深く、暗く、流れがとても激しいところを渡らなくてはいけないことがジオラマで表現されています。

これらのジオラマは全て、青鬼丸さんの家族や親戚が作ったもの。

怖いけれど、何故だかじっくり見入ってしまう不思議。

閻魔大王の部屋には来場者が書き込める懺悔帳が

閻魔大王の部屋には来場者が書き込める懺悔帳が

六道や八大地獄のどこに行くかを決めるのが、地獄の王様:閻魔(えんま)大王。

「いかに上手に嘘つけど 全てを映す鏡あり ああ恐ろしや悪かった 二度としないと誓っても もはやここでは間に合わず 地獄へ行けと突き落とす」と書かれているのが特徴。

ここで泣き出す子どもが多い、と彰洋さん。

その本物志向の作りのおかげか、子どもが泣く気持ちが、少し理解できます。

 

極楽苑 懺悔台

懺悔台に置いてある懺悔帳には来場者が自由に書き込むことができます。

「犬をいじめてごめんなさい」「お手伝いしなくてごめんなさい」閻魔大王を前に、来場した子ども達が懺悔している様子が分かります。

八大地獄がリアルに再現

八大地獄がリアルに再現

等活地獄(とうかつじごく)、衆合地獄(しゅうごうじごく)、阿鼻地獄(あびじごく)・・・

8つの地獄がリアルに再現され、もとい、リアルかどうかは実際に行ってみないと分かりませんね。できることならば行きたくない、地獄。

そのために、日々徳を積んで生活していこうと思わせてくれる学びの場、それが伊豆極楽苑なのかもしれません。

最後には美しい極楽浄土が

最後には美しい極楽浄土が

生前に多くの善業を積み上げた善人だけが辿り着ける極楽浄土。

これまで見てきた地獄とは別世界の美しい景色が広がります。

衣食住、困ることはなく、望みは思い通り。

宝石で飾られた御殿に、美しい花々、鳥のさえずり、穏やかで輝く世界・・・

 

日々、いろいろな出来事があって、ついネガティブな気持ちになったり人に辛く当たってしまったりすることもあるかもしれません。

そんな時は深呼吸して、伊豆極楽苑で見た8つの地獄と極楽浄土を思い浮かべたらきっと、穏やかな気持ちを取り戻すために努力できそうです。

 

子どもたちがこの場所に来て「もう悪いことをしません」と誓うように、私たち大人もまた「日々徳を積みます。善い行いをしていきます」と誓いたい。

それができなかった時にはまた、伊豆極楽苑の閻魔大王の下にある閻魔帳に懺悔しに来るのがいいかもしれませんね。

 

国内でも珍しい「地獄と極楽」のテーマパーク。

地獄と極楽の予習に、お出かけしてみませんか。

伊豆極楽苑の基本情報

DATA

伊豆極楽苑(いずごくらくえん)

住所:静岡県伊豆市下船原370-1

営業時間:10:00~16:00

定休日:木曜日(臨時休業あり)

電話:0558-87-0253

入館料:大人700円、中高生500円、小学生300円、未就学児無料

HP: https://izu-gokurakuen.com/index.html

アクセス: 修善寺駅より、東海バス「松崎」行に乗車(乗車時間18分)、「宝蔵院前」バス停下車すぐ

 

 

 

この記事を書いた人

Mayumi Miyagawa

静岡県函南町出身。「沼津経済新聞」で地元情報を取材し、地元コミュニティーFMのラジオパーソナリティを務める。興味あるジャンルは、地場産のおいしいものとクラフトビール。伊豆半島の隠れた魅力を発信していきます。

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