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【熱海・チップ】駅前の“ほっとする食卓” 、昭和から続く温かな食堂の記憶

2025/12/22
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H.Isobe北伊豆海鮮熱海市
【熱海・チップ】駅前の“ほっとする食卓” 、昭和から続く温かな食堂の記憶

熱海駅を降りてすぐ、足早に観光客が行き交う駅前の景色の中に、ふと時間の流れがゆるむ場所があります。
第一ビルの階段を上がると現れる「チップ」。扉を開けた瞬間、木の温もりが迎えてくれ、外の喧騒がすっと遠ざかります。

ここは、観光地の入口にありながら、長く地元の日常を受け止めてきた食卓。
手作りの味と、肩の力が抜けるような居心地のよさに、気づけば誰もが“熱海の常連”になってしまう──そんな不思議な魅力を持つ店です。

 

ちっぷ 外観

昭和42年に生まれた駅前ビルと、その前から続く「食堂」の記憶

熱海駅前に立つ第一ビルが完成したのは1967年(昭和42年)のこと。そのビルが建つ前から、この場所では一軒の食堂が営まれており、これが現在の 「チップ」 の前身に当たります。

駅前という変わらない風景の中で、時代をまたいで受け継がれてきた“食べる場所”の記憶。その歴史が、レトロな第一ビルの空気感と相まって、チップには「どこか懐かしい」温度が流れ続けています。

 

熱海 第一ビル

白と木の温もりに包まれた、地元の日常が息づく店内

店内は白を基調に木のぬくもりが広がり、明るくゆったりとしたテーブル席が並んでいます。
昼どきには、昔から通う地元のご婦人たちが談笑しながら食事を楽しむ姿が見られ、日常のひとこまがそのまま切り取られたような雰囲気です。

近年はテレビ番組で紹介される機会も増え、観光客の来店も目立つようになりましたが、店の空気は変わらず穏やかで、初めて訪れる方でも自然と肩の力が抜けるような居心地の良さがあります。
旅の途中に立ち寄っても、どこか“帰ってきたような”安心感があるのが、チップならではです。

 

ちっぷ 店内

 

ちっぷ 店内

手作りにこだわる味わいと、海の恵みを楽しむ贅沢

チップの料理は、総菜や漬物まですべて手作りにこだわっています。
その丁寧な姿勢は味にも表れており、「家庭の延長線のようにほっとする」と評される理由になっています。

看板料理は、新鮮な魚をたっぷり使った海鮮丼や刺し身、アジフライ。伊豆の海の恵みがそのまま味わえる豪華な定食や丼は、地元客にも観光客にも人気があります。
アジフライや定食類など、魚を中心としたメニューが豊富で、幅広い年代に親しまれています。そばやすしがセットになったメニューもあります。

 

ちっぷ アジフライ

 

ちっぷ 刺し身

 

また、テーブル席でゆっくりとおつまみとお酒を楽しむこともできるため、軽い一杯からしっかり食事まで、さまざまな使い方ができるのも魅力です。

 

熱海の駅前、昭和の香り漂う第一ビルにひっそりたたずむチップは、観光の合間に、温泉街を回る前の腹ごしらえに、そして “地の魚を味わいたい気分” に―― どんなシーンにもちょうどいい。

観光客も地元の人も、気軽に立ち寄れる懐の深さが、チップの一番の魅力だと思います。

 

ちっぷ 食事を楽しむ様子

チップの基本情報

チップ

住所:熱海市田原本町9-1 第一ビル 2F

TEL:0557-82-2982

営業時間:11:00〜17:00(ディナータイムは予約制)

休業日:木曜・金曜

駐車場:近隣のコインパーキングをご利用ください

アクセス:JR熱海駅から徒歩約1分

 

 

この記事を書いた人

H.Isobe

熱海在住、ローカルメディア編集長。静岡県委嘱ライター、テレビ番組への出演などを通して、静岡、伊豆、熱海の魅力を発信しています。

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