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【河津七滝】ループ橋・駐車場・日帰り温泉を徹底ガイド|七つの滝めぐり完全ナビ

2025/02/10(2025/08/05)
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Ryoko Kawada中伊豆河津町
【河津七滝】ループ橋・駐車場・日帰り温泉を徹底ガイド|七つの滝めぐり完全ナビ

伊豆の人気観光スポット「河津七滝(かわづななだる)」は、七つの滝をめぐる絶景の滝めぐりが楽しめる名所。本記事では、名物「七滝ループ橋」の見どころをはじめ、河津七滝への行き方(アクセス)、周辺の無料駐車場、日帰り温泉、ご当地ランチ情報までを網羅。初めて訪れる方でも安心して楽しめる、河津七滝の散策・観光ガイドである。

河津七滝(かわづななだる)とは?七つの滝が魅せる癒しの絶景スポット

静岡県伊豆半島の東海岸、河津町に位置する「河津七滝(かわづななだる)」。七つの美しい滝が、河津川の上流約1.5kmにわたって点在する、自然が織りなす絶景スポットだ。それぞれの滝は個性豊かな表情と趣を持ち、訪れる人々を魅了する。滝壺の近くまで行ける場所も多く、水しぶきを肌で感じたり、滝の迫力ある音に耳を傾けたりと、五感で自然を満喫できるのが人気の秘密だ。また、滝周辺のマイナスイオンがたっぷりの澄んだ空気が、心と体をリフレッシュさせ、やさしく癒してくれるだろう。

「たき」ではなく「たる」?河津七滝の名前の由来と伝説

「たき」ではなく「たる」?河津七滝の名前の由来と伝説

河津では昔から、滝のことを「水が垂れる」という意味の「垂水(たるみ)」と呼び、「滝」は「たる」と読むようになった。これはこの地域に伝わる方言であり、滝を意味する古い言葉でもある。「七滝」も「ななだる」と読むのが正式で、地元の人々に長く親しまれてきた歴史の深さを物語っている。

また河津七滝には、「伊豆の天城山ふもとにある八丁池に、かつて七つの頭を持つ大蛇が現れた。退治された大蛇の体は川となり、七つの頭はそれぞれ滝になった」という伝説が残っている。

河津七滝のひとつ「蛇滝(へびだる)」の周囲には、ヘビのウロコに似た溶岩が広がり、その伝説を感じさせる独特の雰囲気が漂う。こうした伝説に思いを馳せながら、散策してみてはいかがだろう。

河津七滝の7つの滝を一気にめぐる|写真映えスポットと所要時間を紹介

河津七滝は、上流から順に①釜滝、②エビ滝、③蛇滝、④初景滝、⑤カニ滝、⑥出合滝、⑦大滝の7つが点在している。七つの滝を徒歩で巡る場合、観光や写真撮影を楽しみながら歩くと、全体の所要時間はおよそ1時間が目安だ。ここでは、それぞれの滝の特徴や見どころ、写真映えするスポットとともに、次の滝までの徒歩時間の目安も紹介する。

 

①釜滝(かまだる)

高さ…約22m 幅…約2m

河津七滝 釜滝

釜滝は七滝の中で2番目に大きな滝で、釜のような形をした岩にちなんで名づけられた。高さ約22メートルから、岩を割るように力強く水が流れ落ちるさまは迫力満点。滝壺はエメラルドグリーンに輝き、神秘的な雰囲気を漂わせる。

釜滝全体を一望できる展望台からは、舞い上がる水しぶきが心地よく、夏でも涼しさを感じられる。ただし、服が濡れるほどのしぶきがかかることもあるため注意が必要だ。


➡ 次の滝までは、およそ10分

 

➁エビ滝(えびだる)

高さ…約5m 幅…約3m

河津七滝 エビ滝

二段に流れ落ちる姿や白い泡が跳ねるエビのように見えることから名付けられた滝。小ぶりながらも美しい姿が印象的だ。樹木が多く昼間も薄暗いため、静かな雰囲気の中で自然を感じられる。

 

➡ 次の滝までは、およそ5~7分

 

➂蛇滝(へびだる)

高さ…約3m 幅…約2m

河津七滝 へび滝

柱状に割れた岩が連なり、蛇の鱗のように見えることから名付けられた滝。岩肌を滑るように流れ落ちる水は蛇が這うような曲線を描き、苔むした岩とあいまって神秘的な空気を漂わせる。

 

➡ 次の滝までは、およそ5~7分

 

④初景滝(しょけいだる)

高さ…約10m 幅…約7m

かつて国道から最初に見えたことから名付けられた、河津七滝の中でも特に人気の滝。滝壺のそばには「伊豆の踊子」と学生のブロンズ像が立ち、訪れる人を物語の世界へ誘う。新緑の季節は滝と緑のコントラストが美しく、記念撮影スポットとしても親しまれている。

初景滝の周辺には、駐車場がしっかり整備されており、滝巡りの合間に立ち寄りやすいスポットとなっている。トイレやベンチも設置されていて、ちょっとした休憩にも便利だ。売店には地元のスイーツやドリンクが並び、手軽に伊豆の味を楽しめるのも人気の理由。多くの訪問者にとって、リフレッシュの場であり、次の滝へ向かう出発点にもなっている。

 

➡ 次の滝までは、およそ5~7分

 

⑤カニ滝(かにだる)

高さ…約2m 幅…約1m

河津七滝 カニ滝

滝の横にある溶岩のふくらみがカニの甲羅に似ていることから名付けられた、小さくて愛らしい滝。清らかな水が岩の間をすり抜けるように流れ、耳に心地よい水音が広がる。そばの岩場では運が良ければ本物のカニに出会えることも。

 

➡ 次の滝までは、およそ5分

 

⑥出合滝(であいだる)

高さ…約2m 幅…約2m

河津七滝 出合滝

河津川と萩ノ入川(おぎのりがわ)の流れが合わさる、まさに「出会い」の名にふさわしい滝。木々の合間から差し込む光と重なり、幻想的な雰囲気を漂わせる。名前から縁結びを連想させ、カップルにも人気のスポットだ。

 

➡ 次の滝までは、およそ5分

 

⑦大滝(おおだる)

高さ…約30m 幅…約7m

河津七滝 大滝

河津七滝で最大のスケールを誇る大滝。ごつごつとした岩壁を勢いよく流れ落ちるその姿は圧巻だ。かつては温泉宿の敷地内にあり、一般の立ち入りは制限されていたが、2016年に町が土地を取得。翌年には遊歩道と展望台が整備された。現在は誰でも無料で訪れ、展望台から滝全体を一望できる。

遊歩道の開放時間は8時~18時(10月~5月は17時迄)なので、訪れる際は時間に注意が必要だ。足元が滑りやすいため、歩行には十分気をつけてほしい。

 

滝壺のすぐそばまで下りて間近に眺められるのは、「天城荘」の宿泊や日帰り入浴の利用者に限られている。ここでは豪快な水音としぶきを間近に感じられ、滝を望む露天風呂で自然と一体になる贅沢な時間を過ごせる。

特に水量が多い時期は、響き渡る水音と勢いよく降り注ぐしぶきに圧倒されるほどだ。展望台に立てば、マイナスイオンを全身で感じられる爽快感に包まれる。まさに、河津七滝を代表する絶景スポットである。

電車・バスで楽々!河津七滝へのアクセス方法を詳しく解説

河津七滝 バス停

河津七滝へ公共交通機関で訪れるなら、特急踊り子号とバス、またはタクシーを組み合わせる行き方が便利である。この章では、東京からのアクセス方法に加え、河津駅から現地までの移動手段も詳しく紹介する。

 

<東京駅➔河津駅へのアクセス> 

行き方:「東京駅」から特急踊り子号に乗車 → 「河津駅」で下車

所要時間:約2時間30分

交通費:6,130円~

※JR伊東線「熱海駅」から出発する場合は、「河津駅」まで最短1時間15分。料金はおよそ1,770円。

 

<河津駅➔河津七滝へのアクセス>
河津七滝へバスで向かう場合は、目的に応じて降車バス停を選ぶとよい。バスは1時間におよそ1本の運行であるため、事前に時刻表を確認しておくのがおすすめだ。

 

■すべての七滝を巡る場合におすすめ

七滝を上流から下流へ効率よく歩き始められるバス停

行き方:「河津駅」から修善寺行きのバスに乗り換え→ 「河津七滝遊歩道上入口」バス停で下車

所要時間:約40分

交通費:800円~

タクシー利用の場合:「河津駅」から「水垂バス停下無料駐車場」まで約15分。料金はおよそ4,000円。

 

■伊豆の踊り子像や、メインの大滝を中心に観光したい方におすすめ

上流からの順で、①釜滝、➁エビ滝、➂蛇滝、④初景滝、⑤カニ滝、⑥出合滝、⑦大滝のうち、④初景滝~⑦大滝を観光しやすい入口にあたるバス停

行き方:「河津駅」から修善寺行きのバスに乗り換え→ 「河津七滝温泉」バス停で下車

所要時間:約30分

交通費:730円~

タクシー利用の場合:「河津駅」から「河津七滝無料駐車場」まで約13分。料金はおよそ3,500円。

 

■七滝ループ橋をメインに観光したい方におすすめ

河津七滝ループ橋に加え、河津七滝で最大の大滝を観光しやすい最寄りバス停
行き方:「河津駅」から修善寺行きのバスに乗り換え→ 「河津七滝ループ橋」バス停で下車

所要時間:約33分

交通費:700円~

タクシー利用の場合:「河津駅」から「河津七滝ループ橋下無料駐車場」まで約12分。料金はおよそ3,400円。

車で行く河津七滝|海と山の景色を楽しむルートガイド

車で行く河津七滝|海と山の景色を楽しむルートガイド

河津七滝へ車で向かうなら、伊豆の海岸線と山あいの自然を満喫できる絶景ドライブが楽しめる。特に海沿いの国道135号線は、熱海・伊東・下田を経て青い海を眺めながら走る、開放感あふれるルート。

河津町に入ると山あいの道に入り、主要ルートの多くで人気の絶景スポット「河津七滝ループ橋」を通過する。

■東京方面からの海沿いルート

東名高速または首都高 → 厚木IC → 小田原厚木道路「小田原西IC」 → 西湘バイパス・真鶴道路・熱海ビーチライン経由 → 国道135号線南下 → 河津町 → 河津七滝

■東京方面からの内陸ルート

東名高速または首都高 → 沼津IC → 伊豆縦貫道・修善寺道路 → 国道414号線(天城峠越え)→ 河津町 → 河津七滝

■所要時間・料金の目安

所要時間:約2時間30分〜3時間(道路状況により変動)
有料道路料金:約4,000円〜4,500円

海沿いルートは観光スポットが豊富で、ドライブと観光を両方楽しみたい方におすすめ。内陸ルートは山道があるため天候に注意が必要だが、比較的渋滞が少なくスムーズに移動できる。

七滝ループ橋で絶景体験!ぐるぐる2回転のスリルを楽しもう

七滝ループ橋で絶景体験!ぐるぐる2回転のスリルを楽しもう

河津七滝ループ橋は、360度の回転を2回繰り返す「2重ループ構造」で、標高差約45mをぐるぐると蛇行しながら下る、全国でも珍しい絶景スポットである。車で走ると、まるでジェットコースターのようなスリルとワクワク感が味わえる。眼下に広がる緑豊かな山々と河津の町並みは、伊豆屈指のビュースポットとして多くの人を惹きつけている。

 

1978年の伊豆大島近海地震で起きた崖崩れまでは、この区間は急なジグザグに曲がりくねった道だった。今では安全で楽しいドライブが楽しめる名橋に生まれ変わっている。急カーブが続くため、スピードは控えめにして走行には十分注意したい。

 

ループ橋の途中で停車はできないため、写真や景色を楽しみたいなら近くの河津ループ橋展望台がおすすめ。周辺には天城越えの歌碑や浄蓮の滝など、伊豆の自然や歴史を感じるスポットも点在している。

 

<重要なお知らせ>

2025年3月10日より、河津七滝ループ橋では塗装および補修工事が始まっている。老朽化対策の一環として行われており、これまで長年親しまれてきたグリーン系の外観は、ベージュ系の色合いに変更される予定だ。工事期間は2025年から2030年までの長期にわたる見込みで、桜まつり期間・ゴールデンウィーク・夏季休暇・年末年始・土日を除いて実施される。

 

交通規制は最小限にとどめられており、通常どおり通行可能。ただし、作業の進行状況により短時間の片側交互通行が行われる場合があるため、現地では交通誘導員の案内や標識に従って走行してほしい。

河津七滝の駐車場ガイド|料金・混雑回避のコツ

河津七滝周辺にはいくつか無料駐車場がある。平日は空いているが、観光シーズンや土日祝日は早朝から混雑し、8時ごろには満車になることも。

駐車場の場所によって滝めぐりのスタート地点が変わるため、「どの滝から回りたいか」を考えて駐車場所を選ぶのもポイントだ。一般的には上流から下流(釜滝から大滝)が歩きやすい。事前にルートを決めておくことで、快適に七滝を楽しめるだろう。

<河津七滝付近の主な駐車場3選>

上流から下流の順に紹介

 

■水垂バス停下無料駐車場(約10台)

河津七滝の最上流側に位置し、すべての滝を巡るコースの起点となる。

 

■河津七滝無料駐車場(約60~70台)

七滝めぐりの観光拠点として最も利用されている駐車場。上流から4番目の初景滝に近く、トイレ・観光案内所・売店・自動販売機など設備も充実している。


■河津七滝ループ橋下無料駐車場(約20~25台)

ループ橋の景色を楽しんだり写真撮影に便利。遊歩道までは徒歩約5分ほどかかるが、大滝へも徒歩でアクセス可能。なお、橋の工事の影響で、台数が制限されることがあるため注意が必要だ。

 

混雑時は満車になることも多いため、訪れる際は周辺の他の駐車場も検討しつつ、時間に余裕をもって行動するとよいだろう。

河津七滝めぐり前に知っておきたい|服装・持ち物・雨の日のポイント

河津七滝めぐり前に知っておきたい|服装・持ち物・雨の日のポイント

河津七滝を楽しく巡るためには、天候に応じた服装や持ち物を準備することが大切だ。雨の日でも散策は可能だが、しっかり対策して安全に過ごそう。

<出発前の天気確認>

屋外散策が中心のため、出発前に天気予報を必ずチェックしよう。雨の日はぬかるみや増水の可能性があるため、無理のない計画を立てることが大切。急な天候変化にも気をつけて、無理せず引き返すくらいの余裕を持とう。

 

<雨天・しぶき対策と服装のポイント>

河津七滝めぐりは雨や滝のしぶきで濡れることがある。傘は遊歩道や階段で邪魔になりやすいため、雨の日は両手が自由に使えるレインウェア(カッパ)がおすすめ。晴れの日でも、防水性や速乾性のある服装を選べば、しぶきで濡れても快適に過ごせる。 

また、夏でも滝周辺はひんやり感じることがあるため、軽めの羽織りものを持っていくと安心だ。タオルやハンカチも携帯し、濡れ対策を忘れずに。

 

<靴の選び方>
遊歩道はよく整備されているが、滝の近くや雨のあとは滑りやすくなることも。トレッキングシューズがベストだが、滑りにくいスニーカーでも十分。防水性と滑りにくい靴底を重視して選ぼう。

 

<休憩と時間の使い方>

疲れたら無理せず休憩し、遊歩道沿いに設けられたベンチを活用しよう。特にカニ滝や出合滝周辺には座って一息つけるスポットがある。初景滝付近にも休憩所があるので、うまく活用したい。写真撮影や景色をじっくり楽しむ時間も考慮し、余裕を持って散策しよう。

 

<持ち物のポイント>

荷物は動きやすさを考えて、リュックやショルダーバッグがおすすめ。必ず持っていきたいのは、こまめな水分補給のための飲み物と、夏の虫対策に使えるアイテム(虫よけやかゆみ止めなど)。

スマホの多くは防水機能があるが、さらに安心して楽しみたい人は防水ケースもあると心強い。

河津七滝で味わう名物ランチ|わさび丼といちごスイーツ

河津七滝で味わう名物ランチ|わさび丼といちごスイーツ

河津七滝を訪れたら、滝めぐりの合間にぜひ味わいたいのが、地元ならではの名物ランチ。周辺には散策途中に気軽に立ち寄れる食事処やカフェが点在し、伊豆の味覚を楽しめるスポットも揃っている。今回はおすすめの2店舗を紹介しよう。

 

<だるま茶屋> 

初景滝近くの駐車場に隣接した、アクセス抜群の食事処。伊豆名物のわさび丼やそばなど、観光の合間に立ち寄りやすく、地元の味を気軽に味わえる。人気のわさび丼は、ごはんに鰹節と刻み海苔をのせ、すりたての本わさびをたっぷりのせて味わう、シンプルながら奥深い一品。わさびのツーンとした香りがクセになると評判だ。

 

<七滝茶屋(ななだるちゃや)> 

七滝エリアでも人気の高い「七滝茶屋」は、大滝入口のすぐそばに位置するカフェ&レストランで、滝めぐりの途中に立ち寄りやすい。渓流を望むテラス席で、自然を感じながら過ごせる。

名物のわさび丼をはじめ、特に注目したいのが苺スイーツ。オーナーの実家がいちご農家だったことをきっかけに誕生し、今では「七滝茶屋」の名物として親しまれている。苺スイーツは一年中楽しめるのも嬉しいポイントで、「クラッシュド・ストロベリー」や「いちご生ジュース」、「苺フロート」「苺ゼリー」など、種類も豊富。なかでも1月〜5月上旬の期間限定「いちごパフェ」は、多くの人が楽しみに訪れる人気メニューだ。

七滝茶屋

より多くのグルメを楽しみたい方は、バスで約25分、車なら約15分の河津町中心部まで足を延ばしてみよう。カフェ巡りをもっと楽しめる、おすすめの特集もチェックしてほしい。

【特集】河津桜とともに楽しみたい河津のカフェ5選

河津七滝の四季を楽しむ|春の賑わい、夏の涼感、秋の紅葉

河津七滝の四季を楽しむ|春の賑わい、夏の涼感、秋の紅葉

河津七滝は季節ごとに表情を変え、訪れるたびに新しい自然の魅力に出会える散策スポットだ。春の賑わいから冬の静けさまで、四季折々の景色が楽しめる。

 

春(3月〜5月)

新緑が鮮やかに広がり、清々しい空気に包まれる季節だ。河津桜の名所は町の中心、河津川沿いにあるが、七滝周辺では芽吹いたばかりの若葉と渓流のせせらぎを楽しめる。滝の水音と鳥のさえずりが響き、心も体もリフレッシュできる。

 

夏(6月〜8月)

木陰を渡る涼風と滝のしぶきが心地よく、暑さを忘れさせる避暑地として人気だ。清流沿いの遊歩道を歩けば、爽快な気分で自然と一体になる感覚を味わえる。夏の暑さから逃れたいなら、河津七滝がぴったりの場所だ。

 

秋(10月下旬〜11月下旬)

紅葉が谷を鮮やかに染め上げ、カエデやイチョウの赤や黄色と滝の白い流れが美しいコントラストを描く。秋の爽やかな空気のなか、写真好きにはたまらない絶好の撮影シーズンとなる。自然の芸術をじっくり味わえる季節である。

 

冬(12月〜2月)

観光客が減り、滝周辺は静寂に包まれてまるで別世界。澄みわたった空気が渓谷を満たし、葉が落ちて視界が開けるため滝の全景をゆっくり眺められる。厳冬期には滝の一部が凍ることもあり、静かな冬の自然美を楽しみたい人に最適だ。

河津七滝で心も体もととのう|周辺温泉で“歩き疲れ”をリセット

河津七滝の滝めぐりで自然をじっくり堪能したあとは、心と体を温泉でゆったりほぐしたい。周辺には日帰り入浴が可能な温泉施設や、秘湯の趣を感じさせる立ち寄り湯が点在しており、散策の合間にひと息つくにはうってつけだ。ここでは、滝めぐりとあわせて楽しみたい温泉を紹介する。

 

■天城荘(AMAGISO)|日帰り入浴・温泉プール

河津七滝の大滝のすぐ近くに位置する温泉宿で、滝の音を聞きながら露天風呂に浸かることができる最高のロケーション。2023年に一部施設が火災被害を受けたが、日帰り入浴のみで営業を再開しており、現在は露天風呂と温泉プールを楽しむことができる。温泉好きには聖地のような存在で、映画のロケ地としても知られている。

 

名物は、大滝を望む混浴露天風呂(水着着用必須)。夏季限定で温泉プールも営業しており、25メートルの本格的な温水プールと浅めの子ども用プールを備えている。天然温泉と天城の湧水をブレンドし、心地よい温度に調整しているのも特徴だ。すぐそばを流れる河津川のせせらぎに耳を傾けながら、のんびりと水遊びを楽しめる。水着や浮き輪、タオル類のレンタルも充実しており、手ぶらでも安心して訪れられるのが嬉しい。

 

住所:〒413-0501 静岡県賀茂郡河津町梨本359

営業時間:10:00~16:30(受付16:00まで / プール16:00まで)

定休日:水曜日

料金:大人 1,000円、小学生 750円、幼児 500円

レンタル品:タオル・水着・ラッシュガード・バスローブ・うきわなど(各300~500円、セット料金あり)

公式サイト:https://www.amagisou.jp/higaeri.php

 

■七滝温泉ホテル|日帰り入浴・3時間利用・宿泊

七滝温泉ホテルは、河津七滝の中でも特にアクセスのよい立地にある。カニ滝、初景滝、大滝のいずれも徒歩5〜10分圏内と、滝めぐりの拠点としても便利だ。観光や散策の合間に気軽に立ち寄れることから、多くの観光客に親しまれている。

 

宿泊はもちろん、日帰り入浴やデイユースプランも充実しており、ニーズに応じた利用ができる。日帰りでは天然温泉の大浴場を利用でき、デイユースでは3時間貸切の和室でゆったり過ごしつつ温泉を楽しめる。昼食付きプランもあり、宿泊しなくてもくつろげる。

 

特に見逃せないのが「洞窟岩風呂」。天然の岩を活かした洞窟のような空間に設けられた混浴露天風呂で、水着またはタオルの着用が必須。秘湯のような雰囲気の中、源泉かけ流しの湯が肌をやさしく包み込む。

 

住所:〒413-0501 静岡県賀茂郡河津町梨本372

料金/日帰り入浴:1名1,000円(タオルレンタルは別途100円)

料金/デイユースプラン(和室利用+入浴):2名以上利用で1人約3,780円

料金/昼食付きデイユースプラン:1人約6,480円

デイユースプラン利用時間:9:00~20:00の間で3時間

公式サイト:https://nanadaru.sakura.ne.jp/

TEL:0558-35-7311

河津七滝で味わう遊び心|願掛けの大岩成就、足水処の癒し、七福神スタンプラリー

河津七滝で味わう遊び心|願掛けの大岩成就、足水処の癒し、七福神スタンプラリー

初景滝の近くにある「大岩成就(おおいわじょうじゅ)」は、ひっそりと佇む願掛けスポットである。綱で囲まれた大岩に向かって、手のひらほどの小石を3つ投げ、そのうち1つでも岩の上に乗れば願いが叶うとされている。願い石は3個で100円。的が小さくなかなか難しいが、それだけに挑戦しがいがあり、訪れる人もつい夢中になる。静かな場所で少し心を落ち着けつつ、シンプルながら楽しめる運試しをぜひ体験してみよう。

 

河津七滝

初景滝付近の散策路

 

河津七滝

また、初景滝と蛇滝の間の散策路には「足水処」がある。ここでは河津川の冷たい清流に足を浸して涼むことができ、夏の歩き疲れた足を癒すのにぴったりだ。簡素な丸太ベンチも設置されており、無料で利用できる。滝の音を聞きながら、自然の涼を感じる癒しのスポットである。

 

河津七滝

さらに、滝めぐりをいっそう楽しませてくれるのが、「七滝七福神スタンプラリー」だ。滝の周辺に点在する七福神のスタンプをすべてそろえると、最後に「去七難来七福」のご利益スタンプが押してもらえる。台紙は売店や観光協会などで、1枚200円で購入できる。ただ滝を眺めて歩くだけでなく、こうした遊び心も滝めぐりの楽しさのひとつである。

 

河津七滝

河津七滝

こちらがスタンプ台。それぞれの滝の近隣にある

河津七滝とあわせて訪れたい河津町の観光スポット

河津七滝の美しい自然を楽しんだあとは、ぜひ河津町のほかの魅力にも触れてみたい。河津町には四季折々の風景や歴史、温泉など多彩な観光スポットが点在している。ここでは、河津七滝と合わせて訪れたいおすすめのスポットを紹介する。

 

■河津桜まつり(かわづざくらまつり)

河津桜

河津町を代表する河津桜が咲く「河津桜まつり」は、毎年2月から3月にかけて開催され、多くの人で賑わう一大イベントだ。濃いピンク色の桜が一足早い春を告げ、川沿いの桜並木をそぞろ歩けば、まるで春の絵巻の中に迷い込んだような気分になる。夜にはライトアップも行われ、幻想的な雰囲気が広がる。

河津桜まつりコラムはこちら

 

■河津温泉(かわづおんせん)

河津温泉

河津七滝からは少し離れるが、町の中心にある河津温泉は地元に根付いた湯どころだ。観光の締めくくりに立ち寄って、素朴であたたかい温泉にゆっくり浸かれば、旅の疲れがじんわりとほぐれる。潮風を感じながら、ほっと一息つける癒しのスポットである。
河津温泉コラムはこちら

 

■峰温泉大噴湯公園(みねおんせんだいふんとうこうえん)

峰温泉大墳湯公園

高さ約30メートルにも達する自噴の噴湯が、毎分600リットルもの源泉が豪快に噴き上がる光景は圧巻だ。100度近い源泉が大地から噴き上がる様子は、まさに自然の力を感じる体験。噴湯の間近に足湯も整備されており、湯けむりに包まれながらゆったり過ごせる。温泉たまご作りも楽しめるため、子ども連れにも人気のスポットである。
峰温泉大噴湯公園コラムはこちら

 

■川津来宮神社(かわづきのみやじんじゃ)

川津来宮神社

静かな森に佇む川津来宮神社は、樹齢千年以上とされる御神木が見どころだ。この大楠のまわりを一周すると寿命が一年延びると伝えられ、多くの参拝客が足を運ぶ。神社全体に清らかな空気が漂い、心が洗われるような感覚に包まれる。河津の自然と歴史を感じられる、隠れた名所だ。

川津来宮神社コラムはこちら

 

河津町の外にはなるが、七滝観光とあわせて訪れる人も多い注目のスポットもある。

 

■天城山隧道(あまぎさんずいどう・旧天城トンネル)

川端康成「伊豆の踊子」にも登場する旧天城トンネルは、1905年に完成した石造りの隧道で、国の重要文化財にも指定されている。全長445.5メートルのトンネルは今も徒歩で通行可能。ひんやりした空気と石の質感が、まるで時間が止まったかのような静けさを醸し出す。河津七滝から車で行きやすく、文学や歴史が好きな人には特におすすめだ。

旧天城トンネルコラムはこちら

河津七滝の基本情報

河津七滝(かわづななだる)

住所:静岡県賀茂郡河津町梨本

TEL:0558-32-0290(河津町観光協会)

URL:https://www.nanadaru.com/index.html

 

車がなくても河津七滝へ気軽に訪れたい方には、東海バスの利用がおすすめ。便利なフリーきっぷ2日券などのお得な乗車券も販売しているので、上手に活用して快適な旅を楽しんでほしい。

 

 

 

 

この記事を書いた人

Ryoko Kawada

福岡県出身、名古屋の編集プロダクションでデザイン・執筆の仕事をしたあと、2004年に静岡市へ移住。出版社でwebディレクターとして勤務後、2007年に取材・執筆・撮影・編集・デザインを生業とするフリーランスとして活動開始。静岡県内各地を飛び回りながら、静岡の魅力を発掘中。

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